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2022.02.15

フランスにいったら役に立つ!かんたんフランス語講座 第8回『量の表現 その2』

いつかフランスで働きたい!という方へ。

このシリーズでは、押さえておくべき基本から、実際に製パン・製菓の現場で使われている言葉や、教科書には載っていないけど日常生活の会話に良く出てくる表現などにフォーカスして、かゆいところに手の届く“使える”フランス語をご紹介します。

フランス語って難しいイメージがありますよね。

その通り。フランス語はたしかに難しいです。
いざ勉強をはじめてみると女性名詞や男性名詞の違い、動詞の語尾変化や発音の難しさなど、なかなか一朝一夕にマスターできるものではありません。

それでもみなさんの夢がすこしでも近づくように、ポイントをおさえて楽しくフランス語を学び、役立ててもらえると嬉しいです!

 

「量の表現」

前回に引き続き製パン・製菓の現場で活躍してくれる「量の表現」を紹介します。

レシピなどでは大抵の場合、きちんとグラム数などで表記されています。製造の現場などでも「あと10グラム足して」と言ってもらえると分かりますが「もう少し」とか「あとほんのちょっと」と言われた場合、その微妙な違いを知らないと戸惑ってしまうと思います。

前回は「たくさん」から「半分~いくらか」の量を表現するフランス語を紹介しました。今回はそれより少ない量の表現と、割合を表す言葉などを紹介していきたいと思います。

それでは、現場で使える様々な数量の表現を、例文を使って紹介していきます。

 

① すこし

un peu d’eau(アン・プ・ドォ)=すこしの水
☞発音を聞く

言葉通り「すこしの~」という意味です。この「un peu」という表現に「petit(プティ)=小さい」をつけることで「ほんのすこし」という細かなニュアンスを伝えることができます。

un petit peu de sel(アン・プティ・プ・ドゥ・セル)=ほんのすこしの塩
☞発音を聞く

気を付けないといけないのが「un peu de」から冠詞の「un」を抜いた「peu de」という表現です。こちらは同じ「少ない」を表す言葉でも、より否定的な「ほとんどない」という意味になります。

J’ai peu de temps. (ジェ・プ・ドゥ・タン)=ほとんど時間がありません。
☞発音を聞く

上の例文は、自分がなにかの締め切りに追われていたり、忙しい時に用事を頼まれたけど(それをする)時間がない時などに使うことが出来ます。

② 割合

ここでは全体の3分の1、4分の1といった、割合を表す表現を紹介します。半分を表す言葉については前回の「量の表現その1」で紹介していますのでそちらを確認してみてください。

un tiers de gâteaux (アン・ティエール・ドゥ・ガトー)=ケーキ3分の1
☞発音を聞く

「un tiers」が3分の1なので、3分の2は「deux tiers(ドゥ・ティエール)」となります。
「un tiers」に発音のよく似た言葉で「entiers/ entière (アンティエール)=全体」という言葉があります。

une tarte entière(ユヌ・タルト・アンティエール)=タルト全体
☞発音を聞く

両方とも量や割合に関わる表現なので注意してください。ただ発音は似ていても「entiers/ entière (アンティエール)」は必ず名詞の後に付くので、そこで判断できると思います。

un quart de gâteaux (アン・カール・ドゥ・ガトー)=ケーキ4分の1
☞発音を聞く

「un tier(3分の1)」の時と同様に、4分の2は「deux quarts(ドゥ・カール)」、4分の3は「trois quarts(トロワ・カール)」、となります。

この「quart」、じつは「15分」という意味もあって(1時間の4分の1は15分なので)、時刻などを表すときにもよく使われます。

Il est dix heures moins le quart. (イ・レ・ディズール・モアン・ル・カール)=9時45分(10時15分前)です。
☞発音を聞く

一見ややこしい表現のようですが、すぐに慣れます。ちなみにこの論理で言えば「10時15分は“dix heures plus le quart”なの?」となりますが、こちらはシンプルに「dix heures quinze」または「dix heures et quart」となります。
いろいろと言いたいことはあると思いますが、そこはぐっと抑えて、このまま覚えてください。すぐに慣れます。

ちなみに「10時30分」は「dix heures trente」または「dix heures et demi」となります。

ちょっと「量の表現」から脱線してきてしまいましたが、脱線ついでにもうすこし。
「15分間」や「30分間」を表す場合は以下のようになります。

un quart d’heure(アン・カール・デゥール)=15分間
☞発音を聞く

une demie heure(ユヌ・ドゥミ・ウール)=30分間
☞発音を聞く

 

③ その他の表現

量を表現する言葉はまだたくさんありますが、最後にいくつかの表現を紹介して終わりにしたいと思います。

une pincée de sel (ユヌ・パンセ・ドゥ・セル)=ひとつまみの塩
☞発音を聞く

une poignée de sel(ユヌ・ポワニエ・ドゥ・セル)=ひと握りの塩
☞発音を聞く

いかがでしたか?
様々な表現があってなかなかすぐには覚えられないかもしれませんが、どれも使用頻度の高い言葉ですので、なんとなくでも覚えていれば、いつかフランス人と仕事をした時に「あの表現だ!」と分かる時がきっとくると思います。

 

それではBon courage(がんばって)!

 

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Writer
chefno編集部
編集長&映像制作 コウヘイ
chefno編集部
編集長&映像制作 コウヘイ
映像制作とフランス語関連の記事担当。18年のフランス在住経験あり。フランス生活で得た気づきやエスプリを生かして面白い&センスの良いコンテンツづくりを目指します!好きなお菓子はダントツでタルトタタン。
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パティシエール兼ひよっこライター ハルミ
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