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2022.03.16

フランスからつづる!ブーランジェ通信 by成澤 芽衣 Vol.16『フランス ロワール川沿いの古都 ナントで地産地消とBIOにこだわる複合型ベーカリーに行ってきました』

こんにちは。

先日、私が住む街の隣街「NANTES(ナント)」にできた、ワインとビールとパンが楽しめる複合型のパン屋さん「Painbar(パンバー)」というお店に行ってきました。

フランスのワインとビール、そしてパンをこよなく愛する私にとって、とてもワクワクする場所でしたので、今回はこのお店のご紹介をします。

お店の名前の通り「Pain( パン)」と「Bar (バー)」が一緒になったお店です。

パンの売り場の左側にバーとレストランスペースがあり、右奥にパン工房という店舗構成

小麦粉やバターなどの製パン材料から、野菜、お肉、チーズ、ワイン、ジュースまで全ての材料がオーガニック(BIO)です。
食材は地産地消にこだわり、どれも美味しくて洗練された料理をリーズナブルな価格で提供してくれます。

自家製ライ麦酵母のパンドカンパーニュのグリル。程よいルヴァンの酸味がルーサンヌ品種を使った辛口の白ワインととっても良く合います

このナントという都市は、産業や貿易が盛んな大都市です。
ですので、様々な食文化や食材が入って来る場所であるにもかかわらず、あえて地産地消とBIOにこだわる部分が、私の考え方と似ているところがありとても魅力的に映りました。

このお店の面白いところはまだまだあって、お店を立ち上げた3人の経歴が非常に面白いんです。
彼らの経歴はというと、法律家、イベント企画業、薬剤師と、飲食とは関係のない仕事をされていたそうです。

その3人がお店を立ち上げた理由は、
「ブーランジュリーでパンを買った後にちょっとつまめるバーがあったら最高だよね!」
というシンプルかつとても素敵なアイデアからでした。

異色の経歴を持つ3人が店ではパン職人、サービス、料理人として働いています。

今回お店に行った際に、パン職人のアントワーヌさんに少しお話を聞くこともできました。
この方は、数年前にパリの「Atelier Éphémère(アトリエ・エフェメール)」というナチュラル系の有名なパン屋さんで修行されたそうです。
彼のパンはイーストを使わずに自家製ルヴァンを使用する配合で、パンの大きさも大きく、長時間発酵させてゆっくり焼き上げるスタイルです。修行先の製造方法を色濃く受けていると感じました。

パン職人・アントワーヌさんの作るパン。大ぶりで小麦の旨味が感じられる美味しいパンでした

フランスの食文化の代名詞といってもいい「パン」と「ワイン」、それに加えて地産地消の食材にスポットをあてたコンセプトを、おしゃれでありながらも気取らずに運営されているところが、今後の自分のお店作りの参考になりました。

フランス・ロワール地方に来られる際は、ナントにあるこちらのお店にぜひ立ち寄ってみて下さいね!

 

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Writer
成澤 芽衣
成澤 芽衣
運営サイトはこちら
2017年 フランス全国バゲットトラディションコンクール 優勝。 現在はフランスでフリーランスのパン職人として活動する傍ら、日本でのイベントや、東京にあるベーカリーでパンの監修をさせていただいております。 フランスから私なりの視点で、パンのこと、普段のことなどなど。 生のフランス情報をお贈りします。
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エディター兼ライター シオリ
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