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2022.06.23

フランスからつづる!パティシエ通信 by木村 翔 Vol.9『お花から学んだこと』

こんにちは。

今回は、お花屋さんとお話をして感じたことを書きたいと思います。自己解釈を含みますが(笑)

私の出身は青森県で、自分が住んでいる町の周辺は自然豊かな環境でした。青森には当たり前のように自然がありましたが、パリに住み始めてその環境はとても貴重だと感じています。故郷が忘れられない自分がいるのか、最近は柄にもなく観葉植物を家で育てたり、お花を買ったりするようになりました。

▲自宅で育てている観葉植物

とは言え、今まで植物を育てたことがないので、知り合いのお花屋さんに相談をすることもしばしば。そのお花屋さんが、水のやり方についてアドバイスをくれた際に、興味深いことを言っていました。


「花瓶の水は入れ替えた方がいいんですか?」

花屋さん
「水が減ってきたら新しいお水を継ぎ足してあげれば大丈夫!」


「えっ!! 水が腐ったりしないんですか?」

花屋さん
「腐る前に水が無くなって行くから大丈夫!水が無くなれば足して下さい。日本は湿度が高いから、水を入れ替えた方がいいけど、フランスは乾燥しているから水を足してあげれば大丈夫よ!」

と言われました。

“乾燥!?湿度!?腐りにくい!?”

このことを聞いて、渡仏して間もない頃に感じていたクレームパティシエールの製造頻度への疑問を思い出しました。私が今まで働いてきたフランスのお店では、日本のようにクレームパティシエールを毎日炊いている所は無く、ほとんどが、5日分をまとめて炊いていました。日本での感覚がまだ残っていた当時の私からすると、まとめて製造して傷まないのか不安でした。そこで、フランス人シェフに「こんなにまとめて作っちゃって傷まないの?」と聞くと、「検疫に出したことがあるけど、5日間は菌が出なかったよ」とのこと!正直それを聞いた時は、本当かな?と思っていたのですが、お花屋さんの水のやり方を聞いてから、国によって湿度や気温差などが変わり、お花や製造しているお菓子の腐敗具合も変わってくるんだなと感じました。

お菓子作りは、自然環境によっても変わるのだと、お花の育て方から感じたのでした。

▲現在販売している、お花を使用したケーキ

 

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Writer
木村 翔
木村 翔
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青森県三沢市出身。
日本で10年修行後、渡仏。フランスに移住して5年。
現在は、パリにある「LES TROIS CHOCOLATS PARIS」のシェフパティシエとして働いています。
フランスでこの職業に誇りを持ち、異国での“パティシエ人生”を楽しんでいます。
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