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2022.10.20

フランスからつづる!パティシエ通信 by木村 翔 Vol.23『パリ在住のパティシエがおすすめするパティスリーをご紹介』

こんにちは。

今回は、パティシエの私がおすすめするパリのパティスリー特集をお届けします。皆さんもご存知の超有名店から個性派パティスリーまで、私目線ですが、おすすめポイントと共にご紹介していきます!

 

ぜひ行ってほしいパリのパティスリー4選

今回は、皆さんもご存知の超有名店特集です。

超有名店を侮るべからず!トレンドの先取り、そしてブランディングの上手さを学ぶにはやはり超有名店に行くべきです!日本にもお店を展開しているブランドもあり、いまさら説明不要なくらい情報があると思いますが、その中でも私が素晴らしいと思ったポイントをご紹介していきます。

 

◆RITZ PARIS

パリでも屈指の高級ホテルThe Ritz Parisのパティスリーです!

以前まで、ケーキはホテルのサロン・ド・テ(喫茶スペース)でしか食べることができませんでしたが、その名門ホテルが新しい試みとして、直営のパティスリーをはじめました。その場所はホテルの裏玄関があるカンボン通りに面しており、敷居の高いホテル本館に入らなくても、気軽に超高級ホテルの味を楽しむことができます。このパティスリーは、世界的にも有名なフランソワ・ペレ氏が手掛けています。そのペレ氏の発想から生み出されるきらびやかなお菓子を手軽に購入することができることから、パリっ子だけでなく観光客にも人気のお店です。

プチガトーは約15€の価格帯。一般的なパティスリーよりは高価ですが、ホテルのサロン・ド・テでケーキとお茶を楽しんだら40€位にはなってしまうので、それを考えたら安いのでは!

では、このお店のお菓子を少しご紹介します。

まずこのお店で目を引くのがカラフルなマドレーヌです。

▲可愛い箱入りのマドレーヌは一個からでも購入可能です!

このお店の象徴ともいえるのがマドレーヌ。フランボワーズ、塩キャラメル、桑の実、チョコレート、栗のハチミツなど、そのフレーバーの多さにも驚かされます。シンプルなイメージがあるこのお菓子を、このようにバリエーション化するところは、私も非常に参考にしたいと思ったポイントです。

●The Ritz ParisのInstagram:こちらから

 

◆Le Biscuit Alain Ducasse

次は、今年9月にオープンしたばかりの、アラン デュカスのビスケット専門店です。

様々なサイズのビスケットが箱詰めされており、新たなパリ土産に仲間入りしたと言っても過言ではないと思います。価格は約13€~49€。チョコレートのタブレット型のビスケットもあり、約10€から購入できます。

▲ビスケットのショーケースとは思えないガラス張りのシックなディスプレイがとても素敵。うーん、勉強になりますね

パリの人気の観光地バスティーユから徒歩5分という立地で、同じ通りにはアラン デュカスのチョコレート専門店やアイスクリーム専門店もあるので、同氏が手掛けるお店を効率よく巡ることができますね!

※私のお店Les trois chocolats も歩いて10分程の場所にありますので、ついでに遊びにいらしてください(笑)

では、肝心のビスケットについてご紹介します。ビスケットは、セントラルキッチンでの製造ではなく隣接する厨房で作られています。嬉しいのは、お店で注文してから作ってくれるトッピング付きのビスケットをいただけること!

どのクッキーもフレッシュでいただけるのは、やはり店頭ならではの体験です!そして、巨匠アラン デュカス氏が手掛けるだけあり、各クッキーのテクスチャーが絶妙で、すごく美味!使用するチョコレートは厳選されており、食感や素材の組み合わせに脱帽でした。聞く話によると、同店のクリエーションチームの試作過程で、日本の有名なクッキーも試食したようで、それもインスピレーションのひとつになっているそうです。

その他にも、丁寧に一個ずつ包装されているキャラメルも有名です!ディスプレイも芸術ですね。

土日限定でプチガトーも注文できるそうですので、ぜひパリに来たら訪れていただきたいです。

●Le Biscuit Alain DucasseのInstagram:こちらから

 

◆Pierre Hermé Paris

次は、説明不要の世界一のパティシエ、ピエールエルメ。今回は、3区にあるブルターニュ通りのお店を訪問しました。

エルメ氏のアイコン的お菓子のマカロンですが、3年位前からでしょうか、カラフルだったマカロンが天然色になっています。

マカロンだけでなく、ちょっとしたおやつやプレゼントにも嬉しいコフレなども沢山販売されています。

エルメ氏のケーキは、パリの至るところで購入することができますが、広く展開をされているのに、どのお店でもしっかりと高いクオリティを保っているのには毎回脱帽です。

ブランディングもそうですが、品質管理など、スタッフの育成や技術力が素晴らしいのだと思います。カリスマはやはりカリスマであるということを実感できるのがこのお店です。

「有名店だからまた今度」ではなく、トレンドの追いかけやクオリティの高さを改めて見つめ直す意味でも、ぜひ訪れて欲しいですね。

●Pierre Hermé ParisのHP:こちらから

 

◆Jacques Genin

今回訪れた最後のお店は、ショコラトリーの名店Jacques Genin(ジャックジュナン)です。

うちのオーナー佐野恵美子は、ここで修行していたんです!美術館やホテルのような佇まいのお店は、本当にショコラトリー!?と疑ってしまうくらい高級感溢れる空間です。

Les trois chocolatsのあるパリのマレ地区に同氏のお店があります。ショップ、サロン・ド・テ、そしてアトリエ(製作所)が全て建物内にあります。そこで、毎日作業しているのがジャックジュナン氏。これだけ有名な同氏が今もなお現場でバリバリ作業されているのは、やはりご本人の手仕事への情熱の現れだと思います。この情熱に胸をうたれ佐野恵美子もここで修業をしていました。商業的な活動があまり好きでないようで、日本でのインベントでもなかなか同氏のチョコレートは手に入らないと思います。だからこそ、パリに来たらぜひ訪れて欲しい一軒です!この雰囲気と、チョコレートはここでしか味わえないと思います。

ジュナン氏の素晴らしいチョコレートは、ホームページやInstagramでたくさん見ることができますので、今回はあえて絶品のパートドフリュイをご紹介します!

何が絶品かと言うと、そのフレッシュさです。噛んだ瞬間、使われているフレーバーがジュースのように口の中に広がります。このフレッシュさを出すのにどれだけ苦労されたんだろう。シンプルが故にその手仕事のすごさを感じます。オレンジやカシス、フランボワーズといった、日本でも定番のフレーバーから、ルバーブなどの珍しいフレーバーも楽しむことができます。

●Jacques GeninのInstagram:こちらから

 

今回紹介したのは、いずれも超有名店ばかりでしたが、冒頭に書いた通り、トレンドの先取り、ブランディング、そして手仕事へのこだわりはいずれも素晴らしく感じました。話題の新しいお店ももちろん素晴らしい所が多いですが、私は今回紹介した各店にもぜひ行って欲しいです。パリにいながら、毎回驚きや発見があるのがやはり彼らの素晴らしいところだと思います。

 

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Writer
木村 翔
木村 翔
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青森県三沢市出身。
日本で10年修行後、渡仏。フランスに移住して5年。
現在は、パリにある「LES TROIS CHOCOLATS PARIS」のシェフパティシエとして働いています。
フランスでこの職業に誇りを持ち、異国での“パティシエ人生”を楽しんでいます。
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エディター兼ライター シオリ
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