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2024.04.18

クロワッサンの消費者ニーズとクロワッサンの進化系パン

クロワッサン好きにどんなクロワッサンが好きか、また2023年話題になったクロワッサンの進化系パンについての注目度を調べてみました。

クロワッサン好きのお眼鏡にかなうクロワッサンはどんなもの?

「クロワッサンを好きなパンだ」と答えたクロワッサン好き消費者に、クロワッサンが好きな理由をより深堀して調べるためにアンケートを取りました。
月1回以上パン屋にいくパン好き1028人のうちクロワッサンが好きと答えた251人に追跡調査しました。
調査実施日:2023年9月
調査方法:インターネットリサーチ
調査元:株式会社グローアップ


クロワッサン好きに聞いた
どんなクロワッサンが好きですか?

〇クロワッサンの外側の食感の好みは?
パリッとしていてサクサク感じられる 80.5%
外側が薄くて軽い食感で一口かじると砕ける感じがする 35.5%
もっちりと少し弾力があるがサクサク感は少ない 2.8%

〇クロワッサン内側の食感の好みは?
層の重なりを感じられる 47.4%
もちもちとしっかり 46.2%
ふわふわと軽い 45.8%
しっとり 33.1%
内側の食感の好みは拮抗している

〇クロワッサンの風味の好みは?
バターの香りや味を感じられる 89.2%
香ばしさを感じられる 47.8%
甘さを感じられる 39.4%
塩味を感じられる 37.7%
小麦の風味を感じられる 32.7%
バター感と香ばしさを感じられるのが人気!

〇クロワッサンのサイズの好みは?
普通サイズ 76.9%
ミニサイズ 35.5%
大きめのサイズ 23.1%
標準的なサイズの支持率が高い


「パリッサクッ」と「バター感」がポイント

クロワッサン好きの消費者に好みのクロワッサンについて聞いてみました。食感の好み、風味の好み、大きさの好みに分けてアンケートを実施したところ、クロワッサンの外側の食感については、「パリッとしていてサクサク感じられる」が80%の支持を集めました。内側の食感の好みは拮抗していて大きな差が見られませんでした。クロワッサンの風味については「バターの香りや味を感じられる」が90% 近くの支持を集め、50%近くは「香ばしさを感じられる」のが好ましいと答えています。
サイズの好みは普通サイズが一番支持を集めています。様々なサイズのクロワッサンがありますが、標準的なサイズで問題ないと言えます。好きなパンランキングで上位に入るクロワッサンは消費者人気の高いパンですが、だからこそ、お店によってさまざまな特徴があるクロワッサンが販売されていることでしょう。
改めてクロワッサンの商品を見直そうと考えたときに、クロワッサン好き消費者の意見を参考にしてみてください。今回のアンケートでは、クロワッサン好きにとっては、外側のパリッ、サクッと感が大切で、バター感と香ばしさが感じられるのが大切なのだということが判明しました。消費者の声も参考にしつつも、お店のこだわりを打ち出しながらお客様を魅了するクロワッサンを作ってみませんか。焼き方、バターの配合率、折り回数などを変える事でブラッシュアップできるパンだと思うのでぜひ試行錯誤してみてください。

認知度とハッシュタグから分析
クロワッサンの進化系パンへの注目度は?


2023年、メディアやSNSを賑わせていたクロワッサンの進化系パンについて、
アンケートとインスタグラムのハッシュタグから分析してみました。

編集部の疑問

クロワッサンの進化系パンとして情報番組で取り上げられていることや、
SNSでよく見かけることがあるが、クロワッサン好き消費者にどこまで認知されているのだろうか。
SNSで話題であることとの相関関係はあるのだろうか?

調査方法1
クロワッサン好き消費者にクロワッサンの進化系のパンを知っているかどうか、
食べたことがあるかどうかアンケート

調査方法2
インスタグラムのハッシュタグの件数を確認


消費者の注目を集める進化とはクロワッサンの進化系パンということで、クロワッサンの要素に何か新しい要素を掛け合わせられているものが注目を浴びています。

『新しいフォルム』、『別の商品との掛け合わせ』、『色など目を惹く要素』などがあるパンが話題になっています。クロワッサンの進化系ということで、クロワッサン好き消費者に知られているか気になったので調べてみたところ、クロワッサン好きに一番認知されていていたのは「クロワッサンロール」で50%が知っていて、また35%が実際に食べたことがあるとのことでした。

またインスタグラムのハッシュタグを検索するとクロワッサンロールという名称だけではなく、シュプリームクロワッサンやニューヨークロール、サークロなどでもハッシュタグをつけられていました。SNSで話題になっていて、また実際に消費者に広く認知されてきているのでしょう。その次に認知されていたのが「バイカラークロワッサン」で41%が知っていて、また25%が食べたことがあるとのことでした。またハッシュタグの件数は5000件を超えています。クロワッサンの美しいフォルムだけでなく色鮮やかで写真映えするので思わず投稿したくなるのかもしれませんね。ハッシュタグ件数の多さに着目するのであれば、認知度はそこまで高くなかったのですが、クロフィンも4700件超の投稿数があります。
目新しくて目を惹くものがあればSNSで拡散されやすいのでしょう。
クロフィンはクロワッサンとマフィンを、クロワッサンプレッツェルはクロワッサンとレッツェルを掛け合わせていているのが注目されています。パンスイスは1000件超のハッシュタグがあります。クロワッサン生地でカスタードとチョコを巻いて長方形の形にしたもので、表面のクロワッサン生地の縞模様が目を惹いて写真映えするため、投稿が増えたと思われます。消費者人気の高いクロワッサンは何と言っても層がある生地のパリパリ食感が支持されています。そこに思わず手に取りたくなるようなビジュアルや食べてみたくなるような新しい要素があると人気になるのかもしれません。

パンそのものが美味しいのが一番大切ですが、お客様にまず手に取ってもらうにはどうしたらよいか考える際に、参考にしてみても良いでしょう。今回はクロワッサン好きにアンケートをとって分析してみましたが、クロワッサン好きだけに関わらず、クロワッサンに新しい要素が加わることで広くパン好き消費者の話題になったのかもしれませんね。

 

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ベーカリーパートナー編集部
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