いつかフランスで働きたい!という方へ。
このシリーズでは、押さえておくべき基本から、実際に製パン・製菓の現場で使われている言葉や、教科書には載っていないけど日常生活の会話に良く出てくる表現などにフォーカスして、かゆいところに手の届く“使える”フランス語をご紹介します。
フランス語って難しいイメージがありますよね。
その通り。フランス語はたしかに難しいです。
いざ勉強をはじめてみると女性名詞や男性名詞の違い、動詞の語尾変化や発音の難しさなど、なかなか一朝一夕にマスターできるものではありません。
それでもみなさんの夢がすこしでも近づくように、ポイントをおさえて楽しくフランス語を学び、役立ててもらえると嬉しいです!
目次
「副詞」
「文法の話か!」と身構えているみなさん、安心してください。そんなに堅苦しい話ではありません。ここでいう「副詞」とは「動詞を修飾する語」のことで、「ゆっくりと」や「かるく」など、「どのように~するか」を表現するための言葉です。
レシピ本を読んでいると、こういった表現が多くでてきますので、覚えておくと非常に便利です。
今回は、特にフランス語のレシピ本によく出てきそうな副詞を6つ、例文を交えて紹介していきます。
① délicatement(デリカットマン)=やさしく/そっと
例文
Saupoudrer délicatement la tarte avec du sucre glace.
タルトに粉糖をそっと振りかけます。
☞発音を聞く
*「saupoudrer=振りかける」「sucre glace=粉糖」
② doucement(ドゥースマン)=ゆっくり/やさしく
例文
Mélanger doucement pendant une minute.
1分間ゆっくり撹拌します。
☞発音を聞く
*「Mélanger=混ぜる・撹拌する」
③ légèrement(レジェルマン)=かるく/すこし
例文
Fariner légèrement un linge.
キャンパスに軽く打ち粉をします。
☞発音を聞く
*「farine=小麦粉」「fariner=小麦粉を振る」「linge=リネン・布」
④ rapidement (ラピッドマン)=素早く/手早く
例文
Refroidir rapidement.
素早く冷やします。
☞発音を聞く
⑤ ensemble (アンサンブル)=いっしょに
例文
Faire fondre ensemble au bain-marie les deux chocolats.
2種類のチョコレートを湯せんで一緒に溶かします。
☞発音を聞く
*「faire=~する」「fondre=溶ける」「bain-marie=湯せん」
ちょっと寄り道になりますが、上の例文の「Faire fondre(フェール・フォンドル)」という部分は“使役表現”といって「Faire+不定詞(動詞の原形)」の組み合わせで「~させる」という意味になります。
また、もうひとつの使役表現として「Laisser(レセ)+不定詞」というものがあります。こちらも同じく「~させる」という意味なのですが、その違いについて説明するとすこし難しい話になってしまうので割愛しますが、以下に「Laisser+不定詞」の例文を紹介します。こちらもレシピでよく見かける表現ですので覚えておくと良いでしょう。
例文
Laisser froidir à température ambiante.
室温で冷まします。
☞発音を聞く
*「température ambiante=室温」
⑥ directement (ディレクトマン)=直接
例文
Poser un film étirable directement sur la crème.
クリームに直接ラップをかぶせます。
☞発音を聞く
*「poser sur~=~の上に置く」「film étirable=ラップ」
これらの言葉はレシピを理解する上ではもちろんのこと、製造の現場や日常生活でもよく使われますので、覚えておくととても役に立つと思います。
今回は6つ紹介しましたが、他にもまだいろんな副詞がありますので、またいつか紹介したいと思います。
それではBon courage(がんばって)!
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