いつかフランスで働きたい!という方へ。
このシリーズでは、押さえておくべき基本から、実際に製パン・製菓の現場で使われている言葉や、教科書には載っていないけど日常生活の会話に良く出てくる表現などにフォーカスして、かゆいところに手の届く“使える”フランス語をご紹介します。
フランス語って難しいイメージがありますよね。
その通り。フランス語はたしかに難しいです。
いざ勉強をはじめてみると女性名詞や男性名詞の違い、動詞の語尾変化や発音の難しさなど、なかなか一朝一夕にマスターできるものではありません。
それでもみなさんの夢がすこしでも近づくように、ポイントをおさえて楽しくフランス語を学び、役立ててもらえると嬉しいです!
目次
「道具の名前」
普段からみなさんが使い慣れ、呼び慣れている道具の名前も、フランスにいけばまったく違う名前で呼ばれています。どこかで聞いたことがあってなんとなく分かるものもあれば、まったく特殊な固有名詞がついている道具もあります。フランスのお店で「ちょっと○○取って」と言われたときに慌てなくてすむように、ここでひとつでも覚えておくといいですよ!
① réfrigérateur (レフレジェラトゥール)=冷蔵庫
一般的な名詞なのになんて発音するのが難しい単語なのでしょうか。「r」が4回も出てきます。ただ、フランス人も発音するのが面倒なのか、日常生活ではみんな「frigo(フリゴ)」と言います。これなら簡単ですね。
Frigo(フリゴ)
ちなみに冷凍庫は「congélateur(コンジェラトゥール)」、急速冷凍庫は「surgélateur(スュルゲラトゥール)」と言います。
「congélateur(コンジェラトゥール)」
「surgélateur(スュルジェラトゥール)」
② micro-ondes (ミクロ・オンド)=電子レンジ
電子レンジも仕事場だけでなく日常生活でもよく登場する単語です。
③ spatule(スパチュール)=へら、パレットナイフ
へら状の道具を総称して呼びます。フライ返しなども含まれます。パティスリーで使われることの多いパレットナイフですが、真っすぐなものを正確には「spatule droite(スパチュール ドロワット)」、L字パレットのことを「spatule coudée(スパチュール クデ)」と呼びます。「coude」は「ヒジ」の意味で、直訳すると「ヒジ型に曲がったパレット」という意味になります。
spatule droite(スパチュール ドロワット)=パレットナイフ
spatule coudée(スパチュール クデ)=L字型パレット
④ Maryse(マリーズ)=ゴムベラ
ゴムベラのことを指します。名前の由来は、このゴムベラを生み出したフランスの有名な調理器具メーカー、De Buyer(ドゥビュイエ)のレオナール氏が、自身が子供の頃に家にいた料理人の名前にちなんで名付けられたそうです。「spatule Marise(スパチュール マリーズ)」とも呼ばれます。
⑤ Cul-de-poule (キュ・ドゥ・プゥル)=ボウル
直訳すると「ニワトリのお尻」。半球型の丸い形からそう呼ばれています。「ボウル」と一言で言っても、いろいろ呼び名があります。シンプルに「bol(ボル)」と呼ばれることもあれば、「bassine(バシーヌ)=そこが平らになっている安定したボウル」、「saladier(サラディエ)=サラダボウル」、製パン現場で使われる業務用ミキサーのボウルは「cuve(キューヴ)」と呼ばれます。
たくさんあって覚えるのが大変ですが、とりあえずこれらの単語は「ボウル」のことを指すと覚えておけばいいと思います。
ほかにも製パン・製菓の道具はたくさんありますので、働き始めは苦労するかもしれませんが、フランスに渡る前にすこしでも覚えて準備しておくと、早く仕事場にもなじめることでしょう。
それではBon courage(がんばって)!
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