ARTICLE
2023.10.13

オーストラリアからつづる!パティシエ通信 by永田 真由美Vol.8「美味しいコーヒーがある毎日!」

みなさん、お久しぶりです。
今回は、オーストラリアのコーヒー事情についてお話します。

美味しいコーヒーには困らない。オーストラリアのコーヒー事情

オーストラリアといえば、コーヒー!!というくらい、オーストラリアではコーヒーがよく飲まれています。そして、国内のどこの街に行っても、100m歩けばカフェが2、3件あるという。コーヒー好きには最適の国かもしれません。

これだけカフェが多いということは競合店も多いということになりますが、どのカフェもそれなりに人が入っている印象です。その理由は、オーストラリアでは少なくても一日1杯、多くて3~5杯のコーヒーを飲むという方がほとんどで、それだけ需要があるからなのです。つまり美味しいコーヒーが提供されてさえいれば、お店が成り立つ環境が整っているようです。

オーストラリアで美味しいコーヒーが飲める店がこれだけ多いのは、各店が美味しいコーヒーを淹れるために切磋琢磨しているから。そのなかでも人気のお店では、朝から列を作っているくらいです。

数あるカフェの中から、私がおすすめのカフェを3店舗ご紹介します。

The Boathouse at Balmoral(ボートハウスバルモラル)

私の家の近所にあるカフェで、ビーチが目の前にあるロケーションがとても素敵。植物や花がさりげなく飾られてある可愛いお店です。この店には、日本人大学生のバリスタがいて、彼が淹れるコーヒーは、他のバリスタ(同じ店)とは一味違う美味しいコーヒーがいただけるので、とてもお気に入りです。

インスタグラム:https://instagram.com/theboathousegroup_?igshid=NzZhOTFlYzFmZQ==

The Grounds(グラウンズ)

美味しいコーヒーと食べ物、それだけでなく素敵な庭やお花屋さんも併設しています。イベントも定期的に開催されており、エンターテ-イメント感たっぷりなお店です。海外からの友達や家族が来た時は、必ずといっていいほどここに連れていきます。

インスタグラム:https://www.instagram.com/thegrounds/?igshid=NzZhOTFlYzFmZQ%3D%3D

Barrel One Coffee Roasters Brookvale(バレルワンコーヒーロースターズブルックベール)

倉庫を改造して作られたインダストリアルな雰囲気のカフェ。ここでは、コーヒー豆の焙煎もしており、「とにかく美味しいコーヒーが飲みたい!」という時に行きます。

インスタグラム:https://www.instagram.com/barrelonecoffeeroasters/?igshid=NzZhOTFlYzFmZQ%3D%3D

じつはカフェだけでなく、ほとんどのお菓子屋さんでもコーヒーを提供しています。日本でもカフェ併設のお店であればコーヒーを提供していると思いますが、こちらではどの店でも当たり前のようにコーヒーが提供されています。

さて、そもそもオーストラリアでコーヒー文化がなぜここまで定着したのか。歴史的な背景についても少し触れてみたいと思います。

“移民”が深く関係??オーストラリア独自のコーヒー文化が形成された背景

オーストラリアの地図とコーヒー
オーストラリアのコーヒー文化には、“移民”が深く関係しているんです。

オーストラリアでコーヒーが飲まれ始めたのは、第二次世界大戦後の1950年頃からだと言われています。その頃にオーストラリアに移り住んできたヨーロッパ人がコーヒーを飲み始めたのがきっかけになったようです。そして1980年代になると、イタリア系の移民が、自国で流行っていたエスプレッソ系のカフェをオーストラリアでも展開していったことでさらに発展を遂げます。オーストラリアのコーヒー文化はこの時代に基盤が築き上げられたといっても過言ではありません。イタリア系の移民によってもたらされたエスプレッソを中心としたカフェは、オーストラリアに住む人々にも受け入れられ、街のいたるところに広がっていきました。

スタンダードなエスプレッソ、ラテ、カプチーノはもちろんですが、フラットホワイト(エスプレッソにミルクを合わせたドリンク)やロングブラック(エスプレッソを多めのお湯で割ったドリンク)など、独自の飲み物が生まれました。このようにして、オーストラリア独自のコーヒー文化が形成され、現在に至るということですね。

そのような独自のコーヒー文化があるオーストラリアならではと言えるのが、私が働いている製菓学校のパティシエコースの一つにバリスタコース(1日)あることなのです!将来、生徒たちがお菓子屋さんを開いたときに、最低限のコーヒーの知識が必要だと学校側も考えているんですね。

オーストラリアのコーヒーにはブラックとホワイトがある!?

ところで、日本ではアメリカスタイルのコーヒーが主流だと思いますが、オーストラリアでは、ブラックとホワイトに分かれています。

〇ブラック

・エスプレッソ:ショートブラックはエスプレッソショット
・ロングブラック:エスプレッソ+お湯

〇ホワイト

ミルクをフロストして、マイルドでクリーミーに仕上げたコーヒー。
・ラテ
・フラットホワイト
・カプチーノ
・マキアート

ラテを注文すれば、ハートや白鳥、素敵なラテアートでサービスしてくれます。

ラテアートされたカフェラテ

▲ラテアートのデザインを見るのもコーヒーを楽しむひとつに

そして、ミルクのチョイスは以下のバリエーションのなかから選択できるところがほとんどです。

・フルクリームミルク(3.2%の乳脂肪が含まれている全乳)
・低脂肪乳
・アーモンドミルク
・豆乳
・オーツミルク

とお客さんの好みに合わせてミルクをフロストしてくれるのです。

さいごに

今回は、オーストラリアでのコーヒー文化についてご紹介しました。

私もオーストラリアの製菓学校でバリスタコースを受講し資格をもっていますが、コーヒーの販売は、まだしたことがありません。ですので、街で美味しいコーヒーを淹れるバリスタのあの技術には到底及びません。パティシエとしての技術だけでなく、コーヒーの技術にも力を入れようかな(笑)

私が住むシドニーにも美味しいコーヒーが飲めるカフェはたくさんありますが、同じくオーストラリア通信で情報を発信されているベイカーの成澤聡さんが住むメルボルンは、コーヒーのクオリティがとても高い街です。感動するくらい美味しいコーヒーが飲めると思いますよ。

オーストラリアに来られた際は、いろいろなカフェで飲み比べして見てくださいね。

怒りのマークが描かれたラテアート

 

この記事をシェアする
Writer
永田 真由美
永田 真由美
運営サイトはこちら
お菓子の道まっしぐら20年とちょっと。 出身地の広島から、フランス、シンガポール、現在オーストラリアでパティシエールとして情熱を持ってお菓子を作ってます。現在、ル・コルドルンブルーの製菓部門の講師兼、2019年からは小さな会社「Mimi's Pastry」を立ち上げ、コンサルタントとして活動しています。
1
花パン製作所
ARTICLE
2024.04.23
夫婦で独立開業!笑顔とリピーターの絶えない「花パン製作所」・前編【全2回】
chefno編集部
編集長&映像制作 コウヘイ
2
ARTICLE
2022.03.15
フランスにいったら役に立つ!かんたんフランス語講座 第11回『味の感想』
chefno編集部
編集長&映像制作 コウヘイ
3
花パン製作所
ARTICLE
2024.04.23
夫婦で独立開業!笑顔とリピーターの絶えない「花パン製作所」・後編【全2回】
chefno編集部
編集長&映像制作 コウヘイ
4
ペストリークイーン
ARTICLE
2024.04.16
パティシエールたちの情熱と創造の舞台「ザ・ペストリー・クイーン2025」国内選考会レポート
chefno編集部
編集長&映像制作 コウヘイ
無料会員を募集しています!
chefno®︎では、会員登録することによって、会員限定のコンテンツを視聴したり、 製パン・製菓のセミナー(無料・有料開催)に参加することができます。 ほかにもいろんな特典を考えております。みなさまの登録をおまちしています!