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2022.02.23

フランスからつづる!ブーランジェ通信 by成澤 芽衣 Vol.13『フランスでベーカリーを開業!日本と違う物件探しのポイントを教えます』

こんにちは

先日、ベーカリー開業に向けてパリ郊外にある物件を見学してきました。
今回は、その内容をお伝えします。

フランスでベーカリーの開業をする際に、初めにやってくるステップとして、売りに出ている商業権(フランス語でfonds de commerce)を探す事が重要です。
この商業権を探す時に助けになってくれるのが不動産屋はもちろんのこと、今までのレポートでもお伝えしてきた製粉会社さんなんです。

フランスには、ブーランジュリーとパティスリーの物件に特化した商業物件のみを扱う不動産屋も多くあります。
まさしく「パンの国フランス」という感じですよね。

そもそも「商業権とはなんのこっちゃ?」という感じで、私も最初は理解するのに時間が掛かりました。

どういう事か解説しますと、例えば、
昨日までは、経営者Aが運営していた◯◯ブーランジュリーを、次の日からは商業権を購入した経営者Bが運営していくとします。
このとき、物件をはじめ機械や備品、従業員までもがそのまま「商業権」にくっついてきますので、それら全てを買い取るという事ですね。

要するに「ブーランジュリーとして機能している物件の営業許可を購入する」といったところでしょうか。

日本ではベーカリーを開業する際は、多くは以下のような流れが多いと思います。
・空き物件を見つける
・工事を加えて新しいオーブンやミキサー等の機材を導入
・新しいスタッフを募集
・いざオープン日を迎える!

フランスでもこのような開業の流れでベーカリーを始める方もいますが、それは少数派で、先ほどお伝えした通り商業権を買い取って運営するのが一般的です。

前フリが長くなってしまいましたが、そんなこんなで現在私は、フランスで自分のブーランジュリーを開業する為に、物件探しに悪戦苦闘をしています(笑)

今回物件探しをしにいった街は、大きなお城が駅前にそびえ立ち、街並みにも趣があり古き良きフランスが感じられます。

駅前にあるお城。雰囲気も素敵ですね

そして、週末は散歩やマルシェでお買い物をする地元の人で溢れていてとても活気のある素敵なところでした。

見学した物件も比較的良かったのですが、販売価格がまあそれはお高く、色々と家に持ち帰って考慮する点がたくさんでした(涙)

見学をした物件の厨房

この場所に決定するかの決断をするにはもう少し時間が必要ですが、フランスでの開業初心者の私には良い勉強になった1日でした。

今後もフランスでのベーカリー開業の進行状況を、日本との違い交えながらお伝えしていきたいと思いますので、引き続き温かく見守っていただけたら嬉しいです!

 

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成澤 芽衣
成澤 芽衣
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2017年 フランス全国バゲットトラディションコンクール 優勝。 現在はフランスでフリーランスのパン職人として活動する傍ら、日本でのイベントや、東京にあるベーカリーでパンの監修をさせていただいております。 フランスから私なりの視点で、パンのこと、普段のことなどなど。 生のフランス情報をお贈りします。
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エディター兼ライター シオリ
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