ARTICLE
2022.08.05

フランスからつづる!ブーランジェ通信 by成澤 芽衣 Vol.33『番外編・イタリアから綴るブーランジェ通信』

こんにちは。

今回はフランスから綴るブーランジェ通信・番外編として「イタリアから綴るブーランジェ通信」なるものを綴らせていただきます!! 

先日、「フォカッチャ発祥の地」であるイタリアのジェノヴァに行ってきました。 そうです、私達の知っている「フォカッチャ」はジェノヴァから生まれたのです(私も今回初めて知りました) 

フランス語の Pâtisserie (菓子屋)は イタリアでは「Pasticceria(パスティッチェリア)」、Boulangerie(パン屋) は 「Panificio(パニフィーチョ」と言うそうで、面白いな〜と思ったのは、イタリアにはフランスや日本では珍しい「フォカッチャ屋さん= Focacceria(フォカッチェリア)なるものが存在することです! 

▲どこか歴史を感じさせるフォカッチェリアの看板

 

◆イタリア文化に根付いているフォカッチャ 

ジェノヴァで食ているフォカッチャは、比較的塩味が強くオリーブオイルもたっぷり使用しているのが特徴で、の始まりは古代ローマ時代までさかのぼります。挽いた穀物の粒と水を混ぜた生地を焼いたものがフォカッチャの前身とされていて、いまのような形になって普及し始めたのが16世紀頃といわれています 

ジェノヴァの街を歩いていると、お店のテラス席でお客さん達がピザやフォカッチャを楽しんでいる姿をよく見かけましたサンドイッチもこの街ではもちろんフォカッチャサンド。イタリア文化にしっかり根付いていて、レストランで出されるパンもフランスではバゲットなのに対して、イタリアではフォカッチャです。 

▲レストランでカゴに入れられて出てきたフォカッチャ

ここで、わたしが今回訪れたフォカッチャ屋さんのなかで、「また行きたい!」と思ったお店をふたつ、ご紹介します! 

REVELLO(レヴェッロ) 

地中海を臨む海沿いにある素敵な店構え。店内に入ると、所狭しとイタリアの地方菓子とフォカッチャがズラーっとそれはもう美味しそうに並んでいます。
このお店では、シンプルな「フォカッチャ(ナチュール)」とズッキーニの花のフォカッチャを購入しました。
良質なオリーブオイルがたっぷり使われていて、揚げものとパンの間のような食感でした。Fiori di zucca(フィオーリ・ディ・ズッカ)と呼ばれるズッキーニの花のフォカッチャはこれでもかと具がのっていて味は「これが本場なのね〜」と唸らせるとても上品な味付けでした。この後に周辺のフォカッチャ屋さんにも行ってみましたが、ここのお店のフォカッチャが群を抜いて美味しかったです 

▲「REVELLO(レヴェッロ)」のズッキーニの花のフォカッチャ。オニオンも乗っていて濃いめの塩味。生地はもちもちとしていてとても食べやすく、控えめに言ってもかなり美味しかった。

REVELLO(レヴェッロ)
住所: Via Giuseppe Garibaldi, 183, 16032 Camogli GE, イタリア
サイトURL:http://revellocamogli.com 

 

ANTICO FORNO DELLA CASANA(アンティコ・フォルノ・デッラ・カザーナ)

▲Antico Forno della Casana(アンティコ・フォルノ・デッラ・カザーナ) のジャガイモフォカッチャ。日本でも見様見真似で作っていましたが、本場のほうが断然美味しかった。

こちらのフォカッチャ屋さんは旧市街の一角にあり、お店に辿り着くまでの道のりも日本やフランスとは全く違う景色が楽しめます。
店内は清潔で、店員さんの感じもとても良く、フォカッチャの味も最高でした

ここで出会ったジャガイモのフォカッチャは、これまで自分が知っていたそれとはまったく異なる、一口食べた瞬間に「美味しい!」と言葉が溢れるフォカッチャでした。オリーブオイル・生地・ジャガイモ・ハーブと、シンプルな組み合わせなのですが、バランスが絶妙です 

Antico Forno della Casana(アンティコ・フォルノ・デッラ・カザーナ)
住所: Vico della Casana, 17R, 16123 Genova GE, イタリア
インスタグラム:こちらから

 

▲ジェノヴァの街並み。カフェやレストランのテラスではたくさんの人がピザやフォカッチャを楽しんでいました。

ジェノヴァの街を歩いていると、フォカッチャを食べながら散歩をしているジェノヴァっ子を沢山見かけました。フォカッチャは彼らにとって日常食なんだと実感したと同時に、古くから伝わる美味しいものが現代までずっと受け継がれていることに嬉しくなりました。 

 もしイタリアにも足を伸ばす機会があれば、フォカッチャ発祥の地・ジェノヴァを訪れることをおすすめします! 

 

関連リンク
この記事をシェアする
Writer
成澤 芽衣
成澤 芽衣
運営サイトはこちら
2017年 フランス全国バゲットトラディションコンクール 優勝。 現在はフランスでフリーランスのパン職人として活動する傍ら、日本でのイベントや、東京にあるベーカリーでパンの監修をさせていただいております。 フランスから私なりの視点で、パンのこと、普段のことなどなど。 生のフランス情報をお贈りします。
1
ARTICLE
2022.03.15
フランスにいったら役に立つ!かんたんフランス語講座 第11回『味の感想』
chefno編集部
編集長&映像制作 コウヘイ
2
ペストリークイーン
ARTICLE
2024.04.16
パティシエールたちの情熱と創造の舞台「ザ・ペストリー・クイーン2025」国内選考会レポート
chefno編集部
編集長&映像制作 コウヘイ
3
犬型のクッキー
ARTICLE
2024.02.13
店舗を持たない運営。SNSから広がった犬モチーフのお菓子が話題「Maison terrier(メゾン・テリア)」
shiori icon chefno編集部
エディター兼ライター シオリ
4
chefno
ARTICLE
2023.11.07
開業を目指すパン職人・パティシエに読んでほしい 開業直前パティシエールが先輩パティシエールに本音で質問しました!【前編】
chefno編集部
パティシエール兼ひよっこライター ハルミ
無料会員を募集しています!
chefno®︎では、会員登録することによって、会員限定のコンテンツを視聴したり、 製パン・製菓のセミナー(無料・有料開催)に参加することができます。 ほかにもいろんな特典を考えております。みなさまの登録をおまちしています!