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2022.09.16

フランスからつづる!ブーランジェ通信 by成澤 芽衣 Vol.38『パンをより楽しめる食材が豊富なフランス』

こんにちは。

パンの国・フランスで働き初めて6年目。
日々フランスで起きるできごとに驚き、それを楽しんだり、考えたりして、飽きることのない日々を送っています。

日本での生活に比べ、決して落ち着いた生活では無いかもしれませんが、私は日を増すごとにフランスが好きになっています!

今回は、ここフランスで私が感じた、フランス人の主食であるパンと一緒に食べられている食材についてお話します。

私がフランスのパン屋さんで働き始めてまず感じたこと。それは、お客様が購入することが多いパンはやはり「バゲット」であるということです。それだけ、フランス人にとってバゲットは欠かせない主食だというのが分かりますが、では、フランス人は、そのバゲットをどうやって食べているのか?そのまま?何か塗るの?

私は、渡仏した当時からバゲットはもちろん大好きなのですが、渡仏して間もないころは、本場のバゲットを目の前に、「どうやって食べるのがベストなのか?」と考えることも多く、とりあえずバターとジャンボン(ハム)を挟んでサンドイッチを作ってみたり、ジャムを塗ってみたり、チーズを挟んでみたりと試行錯誤していたことを今でも覚えています。

フランスで暮らし続ける中でより分かってきましたが、バゲットやパン・コンプレなど、日本で言う「ハード系パン」の存在は、フランス人の食生活の中で重要度が高く、家庭やレストランなどで食べられる料理のほとんどは、パンと食べることを考えて作られているので、相性がバッチリなんです。

▲シャルキュトリーとパン。これはもう不動の定番です!

余談ですがフランスで「パン(フランス語でPain )」と言うと、バゲット、パンドカンパーニュ、パン・コンプレなどの「ハード系パン」のことを指します。日本では、バゲットをはじめ、食パン、クロワッサン、あんぱんなどの菓子パンやカレーパンなどの惣菜パンを総称して「パン」と呼ばれていますよね。クロワッサン、パンオショコラ、ブリオッシュなど、砂糖の入った日本で言う「菓子パン」系のパンは「ヴィエノワズリー(Viennoiseries)」と呼び、キッシュや、クロックムッシュなど軽食にもなる惣菜パンは「サレ(Salé=塩味)」と呼ばれています。このように、それぞれの呼び方が日本と違います。

パンはフランス人に欠かせない主食ですが、それはフランスのスーパーに行くと、より実感できる気がします。スーパーには、バゲットに付けて食べる瓶入りのリエットが多く売られています。

▲鯖と粒マスタードのリエット

▲タラと蕎麦の実のリエット

そして、ハムなどのシャルキュトリー(Charcuterie =加工肉)やフロマージュ(Fromage =チーズ)の充実ぶりに驚かされます。

▲フロマージュと一緒に。これとワインがあれば幸せすぎて他にはなにもいりません(笑)

そのどれもがパンと合わせて食べられる食品です!この、食材の充実度合いを見ると、いかにフランス人の食生活においてパンが重要かと言うことが伺えます。

日本人の主食が米で、その米と一緒に食べる「ふりかけ」「海苔」「焼たらこ」などの存在が、日本の食卓をより豊かにしてくれていることと同じように、フランスもそれと同じく、ハムやチーズなど、パンに合わせる食品が同じ役割をしているのだと解釈しています。

私のフランス生活での主食もやはりパンですので、今では現地の方達の真似っこをして、リエットを塗ってみたり、フムス(ひよこ豆をペーストにしたイスラエルのお料理)を作ってみたり、フロマージュをのせたりして食べています。

▲お豆とベトラヴ(赤ビーツ)のフムスをバゲットに塗って

▲バゲットの上にトマトとヤギのチーズをのせて

こんな感じで、パンを通じて毎日新しい発見をするのが楽しみです。

 

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成澤 芽衣
成澤 芽衣
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2017年 フランス全国バゲットトラディションコンクール 優勝。 現在はフランスでフリーランスのパン職人として活動する傍ら、日本でのイベントや、東京にあるベーカリーでパンの監修をさせていただいております。 フランスから私なりの視点で、パンのこと、普段のことなどなど。 生のフランス情報をお贈りします。
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