こんにちは。
今回は、8月19日~21日まで開催していた福岡でのイベントについてお話したいと思います!!
8月8日に福岡に着き、イベントに向けて一週間にわたり試作を繰り返しました。フランスで普段作っている自信作のケーキを販売する予定でしたので、もちろんレシピもあり準備は整っていましたが「完璧なケーキを日本のお客様に提供したい!」と最後まで妥協を許さぬよう、自分に気合を入れる意味でも入念に試作をしました。
試作に時間をかけた理由には、実は材料のことがあったからです。
フランスから常温で持ち帰られる材料や器具(小麦粉や型、ケーキの台紙などなど)は、スーツケースに入れて持ってきましたが、卵や生クリームなどの冷蔵保存が必要な材料はさすがにフランスから持ち帰ることは不可能です。ですので、バターや生クリームなどの特徴がフランスと違う日本で「同じレシピで作れるのか??」と帰国前から考えていました。
いざ日本に帰国して福岡に着くまでに色々なお菓子屋さんに行って食べ歩きをしていた時、使用されている生クリームにふと違和感がありました。
いざ福岡のラボで試作をしていると、その嫌な予感は的中。バターは博多の「チョコレートショップ」ではフランス産の発酵バターを使っていたので、問題ありませんでしたが、生クリームに手こずることに…。フランスの生クリームは一般的に35%の乳脂肪のものが多く、しっかり濃度や乳味がある上に口当たりが軽いです。もちろん日本にも35%の生クリームは色々なメーカーさんが出していますし、種類も豊富にあります。しかし、同じ35%なのに味もコクも濃度も全然ちがうんです。
取り寄せられるだけの生クリームを取り寄せ、一つずつ味見をして自分が1番納得いくものを選びました。
フランスで普段使っている生クリームを使用しても、デリケートな私のお菓子(笑)そのままのレシピで試作すると全く上手くいかず、コクを出すためにマスカルポーネを足すなど、味の調整を重ねました。
やっと納得のいくケーキができたかと思えば、今度は日本の猛暑と湿度に悩みました。じっさいに外でケーキを持ち歩いてみてチェックをすると、35度以上の猛暑が続いていた福岡ではケーキの保形が厳しく、私の許せる範囲内でゼラチンを増やしたり、保冷剤を多めにつけたり、購入後は早めに食べていただけるようにお客様にお伝えすることで対策することに。
お客様がインスタやFacebookにキレイな写真をアップされているのを見て「無事ケーキを持ち帰えってもらえたと」ホッと胸をなでおろしました(笑)
イベントのためにたくさんのお客様が県外からも駆けつけてくださり、早い時間から店の前に並んでいただいたりと、予想を超える喜びもありました。
そして、たくさんの「美味しかったー!」という声、3日連続で来ていただいたお客様、「またイベントをしてほしい」など、たくさん嬉しいお言葉までいただき、感無量です!
私の無理な相談に付き合ってくれたチョコレートショップのスタッフや業者さん、農家の方にも本当に感謝しています。
あらためて日本の良さや、お菓子づくりの難しさを痛感する良い機会になりました。そして、連日完売で最高のイベントになったことが何よりも嬉しかったです。
「来年もぜひイベントをやってください」とお客様からお声をいただきましたが、新作ケーキを作るのに100回以上の試作をする私なので、たぶん、3年後くらいかな…(泣)
À bientôt!!!
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