こんにちは。
先日Les Herbiers (レ・ゼルビエ)というフランス西部の街に行ってきました。
今回の目的は、
フランスのLes Ambassadeurs Du Pain (アンバサドゥール・デュ・パン)協会が主催する「RESPECTUS PANIS(レスぺクチュス・パニス)製法」の講習会に参加するためです。
RESPECTUSはラテン語で「敬意」、PANISは「パン」という意味で、「昔の伝統的な製法を用いて体に負担の少ない、栄養価の高い美味しいパンを作ろう」と協会が提唱している製法になります。
この製法のことは、以前からとても気になっていたので、本を購入しては理解しようと勉強していましたが、全てを理解するまでには至りませんでした。
しかし、今回の講習会参加によって、より深くこの製法を理解することができました。
簡単にこの製法について説明すると、
・低速で短時間のミキシング。手捏ねまたはミキサー使用
・身体への影響を考慮し、塩は通常より少ない使用量(1kgあたり15gまで)
・無調整(グルテンやビタミンが添加されていない)の小麦粉を使用
・製造および発酵は安定した18℃の厨房で行う
など幾つかの特徴があります。
この講習会のなかで、講師のひとりであるM.O.Fのアマンティオ・ピマンタ氏が、
「フランスのパン業界の未来において、この製法が重要だ」と語っていました。
ここでは細かく記しませんが、より高い栄養価が得られる事など、この製法における利点を消費者に伝えるべきか、そのために我々パン職人が担う役割などを熱心にお話いただき、講習を受ける側にも力が入りました。
それと同じくらいに素晴らしい収穫だったのが、
今回の講師でもあるM.O.Fのパン職人たちと、直接パンのことや製法のことについて会話ができたこと、沢山のパン職人やパンの専門誌のジャーナリストと出会えたこと、2017年のバゲットコンクールで共に戦った地方代表選手の一人フィリップ・デジル氏と再会できたこと。
フィリップ・デジル氏とは、フランス西部トゥール(Tours)という古城の町でパン屋を経営しており、常に「フランスのブーランジュリーの未来」を考え発信をしているとても熱い職人さん。5年ぶりの再会で、お互いにあの特別で過酷なコンクールの5日間の思い出話に花が咲き、とても充実した時間を過ごせました。
今回の講習会は、8:00~13:00まで5時間ぶっ通しでしたが、非常に濃い内容でした。
今、私はこの製法について学んだことを、頭の中で必死になって整理しています。
日本語訳された本も出版されているらしいので、皆さんもぜひ「RESPECTUS PANIS(レスぺクチュス・パニス)製法」を試してみませんか?
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