いつかフランスで働きたい!という方へ。
このシリーズでは、押さえておくべき基本から、実際に製パン・製菓の現場で使われている言葉や、教科書には載っていないけど日常生活の会話に良く出てくる表現などにフォーカスして、かゆいところに手の届く“使える”フランス語をご紹介します。
フランス語って難しいイメージがありますよね。
その通り。フランス語はたしかに難しいです。
いざ勉強をはじめてみると女性名詞や男性名詞の違い、動詞の語尾変化や発音の難しさなど、なかなか一朝一夕にマスターできるものではありません。
それでもみなさんの夢がすこしでも近づくように、ポイントをおさえて楽しくフランス語を学び、役立ててもらえると嬉しいです!
目次
「使えるフレーズ その2」
第10回で「使えるフレーズ」を紹介しましたが、今回はその第二弾です。
これから紹介する内容は、参考書にはあまり載っていないものの、実際にフランスに行ってみるとよく耳にする、まさしく「フランスに行ったら役に立つ」フレーズです。
ぜひマスターしてフランス生活に役立ててください!
①À tes souhaits ! / À vos souhaits ! (ア・テ・スエ! / ア・ヴォ・スエ!)=お大事に!
☞発音を聞く
相手がくしゃみをしたときに決まって言うフレーズです。目上の方には「A vos souhaits !」のほうを使うといいでしょう。
直訳すると「願いがかないますように」という意味です。諸説ありますが、欧米では昔、くしゃみをすると魂が抜けると信じられており、そのためのおまじないの言葉として使われていたようです
フランスではくしゃみはマナー違反、ということになっていますので、くしゃみが出てしまったときは「Pardon(パルドン)=失礼しました」と言うのが通常です。そして誰かに「A tes souhaits !」と言われれば「Merci」と返します。
日本では、大きなくしゃみをしてから鼻をズルズルとすする人がいますが、フランスでこれをやるとヒンシュクを買うこと間違いなしです。くしゃみは出てしまうものなので仕方ないにしても鼻をすする行為はやめておきましょう。そうしないために、フランスでは鼻をかみます。「あまり変わらないじゃないか」と思われるかもしれませんが、そこは「郷に入っては郷に従え」。「日本人って下品!」などと思われてしまわないように気をつけましょう。
ちなみにフランスの人は、くしゃみをとても器用に押し殺します。フランスに滞在中、私もずっとトライしていましたが、結局習得できませんでした。
②Ça dépend. (サ・デパン)=場合によります。
何かについて意見を訊かれたときに、一概には言えないような場合に使います。
③Attention ! (アタンシオン!)=気を付けて!
*「attention=注意・関心」
こちらに気づいていない相手とぶつかりそうになる時、大きな荷物をもって人がいるなかを通っていく時、誰かが物を落としそうになった時など、あらゆる場面で注意を引く時に使います。
せまい厨房でたくさんのスタッフがいそがしく働く現場では「Attention derrière !(アタンシオン・デリエール)=後ろ通ります!」というフレーズをしょっちゅう耳にすることになります。
④On verra.(オン・ヴェラ)=今に分かるよ。まあ見てみよう。
*「voir=見る・分かる」
フレーズのなかで使われている「On」は「私たち」、「verra」は「voir=見る・分かる」の単純未来形を表しています。つまり「(そのことについて)私たちは分かるでしょう=今にわかるよ」という意味になります。シチュエーションとしては、例えば新しいレシピでつくったお菓子やパンを焼いているオーブンの前で、誰かが「うまくできるかな?」と言った時は、このフレーズがぴったりきそうですね。
⑤Ça se voit. (サ・ス・ヴォア)=そのようですね。/ 見ればわかるよ。
直訳すると「それはそのように見えます」といったことろでしょうか。例えば、誰がどうみても失敗作のケーキを持ってきて、作った本人が「失敗しました。」と言ってきた時など、一目瞭然の事実を相手がわざわざ言葉にして言った場合に皮肉を込めて返すフレーズとして使うことができます。
いかがでしょうか?こうしたちょっとしたフレーズを覚えておくだけで、コミュニケーションの幅はぐっと広がります。ぜひマスターして、充実したフランス生活に役立ててください!
それではBon courage(がんばって)!
関連リンク