いつかフランスで働きたい!という方へ。
このシリーズでは、押さえておくべき基本から、実際に製パン・製菓の現場で使われている言葉や、教科書にはのっていないけど日常生活の会話に良く出てくる表現などにフォーカスして、かゆいところに手の届く“使える”フランス語をご紹介します。
フランス語って難しいイメージがありますよね。
その通り。フランス語はたしかに難しいです。
いざ勉強をはじめてみると女性名詞や男性名詞の違い、動詞の語尾変化や発音の難しさなど、なかなか一朝一夕にマスターできるものではありません。
それでもみなさんの夢がすこしでも近づくように、ポイントをおさえて楽しくフランス語を学び、役立ててもらえると嬉しいです!
「発音」
フランスの人たちは母国語であるフランス語につよい誇りを持っていて、「フランス語は世界で最も美しい言語である」と自負しています。
そのため、ちょっと発音が違うだけで「何を言っているのかさっぱり分からない」というような顔をされることがあります。筆者はフランスに住み始めて間もない頃、パリのパン屋さんで「Une baguette s’il vous plaît.(バゲットを1本ください)」というと、店員さんに「え、なに?」と3回聞き返されたのち、「ああ、バゲットね」と、やっとバゲットを買うことができました(3回とも発音は同じだったはずなのに..)。
「Une baguette s’il vous plaît.(バゲットを1本ください)」の発音
☞発音を聞く
実際フランス語の発音は難しく、日本人が最初にぶつかるのが「R」の壁です。
「R」の発音は英語などの舌先を巻くように発音するのではなく、喉の奥をかすれて鳴らすように発音します。比較的容易に発音をマスターできる人もいれば、なかにはかなり苦労する方もいるようです。
そこでちょっとしたアドバイスを。
まず日本での「R」の発音の概念を捨てること。
そして「らりるれろ」というよりは「はひふへほ」のイメージで発音してみてください。
普通に「はひふへほ」と発音するとき、空気の動きに注意してみると歯の内側あたりで音が生まれているように感じることができると思います。その音をもっと口の奥(上あごと舌の根元あたりの空間)で発音してみてください。
これでだいぶ「R」の音に近づくことができるのではと思います。
ちなみにフランスと日本両方のルーツを持つchefno編集部スタッフのひとりは、まだ「R」の発音がままならない4歳の娘さんに「うがいをする時に喉の奥でガラガラするのと同じだよ」と教えているそうです。みなさんもぜひトライしてみてください!
それでも難しい!できない!という方は、「R」を正しく発音することは一回あきらめて、代わりに「はひふへほ」を使って発音したほうが、無理に「R」を発音しようとして全体がおかしくなるよりは通じるかもしれません。
そして「R」の発音のつぎに気をつけないといけないのが、「B」と「V」の発音の違いです。
日本語の感覚ではどちらも「ばびぶべぼ」の発音になってしまうので、これをおろそかにしている人はけっこういるようです(筆者もこれまで何度となく指摘されてきました)。
「B」は日本語の「ばびぶべぼ」の発音と同じですが、「V」は上の歯を下唇にあてて発音します。
フランス語に限ったことではありませんが、「B」と「V」の発音が違うだけでまったく別の単語になってしまうので注意してください。
例えば、
「Viens(来て)」という言葉の「V」を「B」で発音してしまうと、相手には「Bien(いいね)」となり、意味が通じません。
「Viens」の発音
☞発音を聞く
「BIen」の発音
☞発音を聞く
意味が通じないだけならまだしも、とんでもない意味で相手に伝わってしまう可能性もゼロではありませんので、普段から気をつけておいて、日本語での会話でも意識的に、例えばですが、「ボリューム(Volume)」を「ヴォリューム」と発音するなど、「V」の発音をつねに心がけて身に着けておくのもよいかもしれません。
それではBon courage(がんばって)!
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