いつかフランスで働きたい!という方へ。
このシリーズでは、押さえておくべき基本から、実際に製パン・製菓の現場で使われている言葉や、教科書には載っていないけど日常生活の会話に良く出てくる表現などにフォーカスして、かゆいところに手の届く“使える”フランス語をご紹介します。
フランス語って難しいイメージがありますよね。
その通り。フランス語はたしかに難しいです。
いざ勉強をはじめてみると女性名詞や男性名詞の違い、動詞の語尾変化や発音の難しさなど、なかなか一朝一夕にマスターできるものではありません。
それでもみなさんの夢がすこしでも近づくように、ポイントをおさえて楽しくフランス語を学び、役立ててもらえると嬉しいです!
目次
- 1 「パンを買う」
- 1.1 ① Qu’est-ce que vous désirez ? (ケ・ス・ク・ヴゥ・デジレ?)=何にしますか?
- 1.2 ② Une baguette bien cuite s’il vous plait. (ユヌ・バゲット・ビアン・キュイット・シル・ヴ・プレ)=よく焼けたバゲットを一本ください。
- 1.3 ③ Non, pas celui-là. (ノン・パ・スリュイ・ラ)=いいえ、それではありません。
- 1.4 ④ Avec ceci ?(アヴェック・スシ)=他には?
- 1.5 ⑤ Je voudrais ceci. (ジュ・ヴドレ・スシ)=これが欲しいです
- 1.6 ⑥ Ça sera tout.(サ・スラ・トゥ)=これで全部です。
- 1.7 ⑦ Au revoir. (オ・ルヴォワール)=さようなら。
- 1.8 おまけ
「パンを買う」
フランスでの生活がはじまると、よく利用することになるのがパン屋さんです。きっと初めてバゲットを買う時にはうまく注文できるか緊張することでしょう。セルフレジなどがあるスーパーと違って、パン屋さんはフランス語でのコミュニケーションが必須です。みなさんがはじめてのバゲットをうまく買えるように、パン屋さんで一般的に交わされる会話を紹介しますので、役立ててください。
まず、何よりはじめに、お店に入ったら「Bonjour(ボンジュール)」とあいさつをしましょう。あいさつはフランスのコミュニケーションにおいて基本中の基本であり、絶対的なルールでもあります。
① Qu’est-ce que vous désirez ? (ケ・ス・ク・ヴゥ・デジレ?)=何にしますか?
*「désirer=欲する」
お店にはいると店員さんから注文をきかれます。直訳すると「あなたは何が欲しいですか?」という意味です。買いたい商品の名前と数を言って注文しましょう。
② Une baguette bien cuite s’il vous plait. (ユヌ・バゲット・ビアン・キュイット・シル・ヴ・プレ)=よく焼けたバゲットを一本ください。
*「cuire=焼く」
フランスでもパン屋さんはピンからキリまであります。すべてのバゲットが美味しそうに焼けていれば言うことはありませんが、ごくふつうの町のパン屋さんでは、バゲットの焼き加減がまちまちだったりします。そして、こちらが何も言わなければ、白っぽい、焼きの浅いバゲットを渡されることも往々にしてあります。
でも怒ってはいけません。コミュニケーション力をあげる練習の場だと思って、笑顔で「よく焼けてるのあります?」ときいたり、カゴのバゲットを指さして「あのバゲットがいいです」と言ってみるのもいいでしょう。こちらがちゃんと意思表示をすれば、向こうも「これ?それともこっち?」などと、ちゃんと応えてくれます。
焼きすぎてないバゲットが欲しい時には「pas trop cuite(パ・トロ・キュイット)」と付け足しましょう。
Une baguette pas trop cuite s’il vous plait. (ユヌ・バゲット・パ・トロ・キュイット・シル・ヴ・プレ)=焼きすぎていないバゲットを一本ください。
☞発音を聞く
③ Non, pas celui-là. (ノン・パ・スリュイ・ラ)=いいえ、それではありません。
店員さんを観察しておいて、ちゃんと焼けていないバゲットを取ろうとしたらすかさず「それじゃありません」と声をかけて自分が欲しいバゲットを取ってもらうという手もあります。「面倒な客だな」と思われるかもしれませんが、美味しくなさそうなバゲットをかかえて帰って悶々とするよりはずっとマシです。
④ Avec ceci ?(アヴェック・スシ)=他には?
店員さんが「他に欲しいものはありますか?」と聞いてくるので、状況に応じて答えましょう。
⑤ Je voudrais ceci. (ジュ・ヴドレ・スシ)=これが欲しいです
フランスのパン屋さんやケーキ屋さんでは商品名のカードを手書きで書いているところが多く、フランスに来たばかりだとなかなか読めなかったりします。そんなときは欲しいものを指さして「これください」と言えばいいのです。
⑥ Ça sera tout.(サ・スラ・トゥ)=これで全部です。
「他には?」と聞かれて、他に欲しいものがなければこう言って会計に移ります。
⑦ Au revoir. (オ・ルヴォワール)=さようなら。
フランスではあいさつに始まりあいさつに終わります。お店を出ていくときにもあいさつを忘れないようにしましょう。ただ、基本中の基本の言葉にも関わらず、発音はとてもむずかしいです。ただ、発音できないからと言って黙っているのはよくないです。うまく発音できなくても構いません。笑顔で「オーヴァー」となんとなく言えば気持ちは伝わります。
おまけ
Qu’est-ce que vous conseillez ? =おススメは何ですか?
☞発音を聞く
あまりパン屋さんで使うことはないかもしれませんが、パティスリーやショコラトリーなどで、美味しそうなお菓子やチョコばかりで迷ってしまうときは店員さんにきいてみるのももいいかもしれません。
どんなに練習しても最初はうまくいかないかもしれません。パン屋さんに限らず、いい加減な商品をつかまされたり、おつりをごまかされたり、いやな思いをすることは少なからずあると思います。でもそんな時こそフランス語上達の絶好のチャンスと思って、怒らず、冷静に意思表示をしてみましょう。がんばって話してこちらの主張が通ったときは、それはあなたがフランスの生活に馴染んできた証拠です。きっと素晴らしい達成感を味わうことができるでしょう。
それではBon courage(がんばって)!
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