こんにちは。
今回は、フランス人にとってパンとは、バゲットとはどんな存在なのか、私目線ではありますが、“フランスでのパンの常識”についてお伝えしたいと思います!
常識①『国民食としてパンがある』
パンがどれだけフランス人にとって身近な存在であるのか、フランス国内で実施されたあるアンケート(パンに関する意識調査)結果によると、
回答者の87%が「食卓にパンがある事が日常的」と回答しました。
「パンがある事が日常的」と回答した方の意見を更に詳しく見ていくと、その半数以上の方が「現代の数ある主食の中で、パンを選べる事は幸福」と答えています。
朝食やサンドイッチ、おやつ、夕食など、フランスの食卓では日常的にあるバゲット、何と一日の消費量は「国民1人あたり1/2本」という統計も出ています。
まさに生活の一部というのが分かります。
常識②『子育てにもバゲット』
フランスでは昔から親が子供にさせる“初めてのおつかい”は「ブーランジュリーにバゲットを買いに行かせる」なんです。
赤ちゃんに初めて食べさせる硬い食べ物は、バゲットの端っこ「croûton(クルトン」と決まっています。
常識③『単語にもパンが存在する』
そして、フランス語の単語にもパンに関連するものが!
フランス語で友達という意味の「COPAIN (コパン)」という単語があるのですが、
「CO = 共同、共に の意味」
「PAIN = パン」
ということで、「パンを共有する」という語源から「友達」というフランス語になっています。
単語の中にもパンが存在するなんて、本当にフランス人にとってパンという存在が重要なんですね。
常識④『パン職人のレベルが高い』
パンにまつわる全国大会や、フランスのパン業界の未来を担う若手職人のコンクールなどが毎年国内で行われています。
これは業界の存続と、パン職人個々の技術レベルアップや士気向上を図り、パン職人の存在価値を国単位で称賛する面から活発に行われていると言えます。
高校生くらいの歳からパン職人という人も多く、国内でも技術力の高い職人が多いのはこういった事があるからですね。
また年に一回、各県ではそれぞれ「Fête du pain(フェット・デュ・パン)」といって、県内のパン職人達がその日に一日だけひとつの会場に集まり、みんなでパンを作り地域のお客様に活動を知ってもらうフェスティバルも開催されています。
「フランス全国パン菓子連合会」では、
この大切なパン文化を未来永劫していける様にバゲットトラディションを「ユネスコ無形文化遺産」に登録する働きも精力的に行なっています。
このように「パン」と「フランス人」は切っても切れない歴史と情熱で結ばれていると言えますよね!
日本には、お米という大切な主食があると思いますが、日本人がお米をこよなく愛するのと同じく、フランスでは「パン」がまさにその存在なんです。
皆さんが、パンを製造するとき、パンを食べる時に、そんな事をふと思い出してもらえると嬉しいです。
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