こんにちは。
今回は、前回に引き続きパリで開催された製菓製パン関連の展示会「SIRHA EUROPAIN (シラ・ユーロパン)2022」のお話しです。
2年に1回開催されるこの展示会は、毎回たくさんの方が訪れますが、今年は新型コロナウイルスやウクライナ情勢の影響もあり国内の来場者がほとんどで、会場規模は例年よりもコンパクトに感じました。そんな状況下での開催ではありましたが、成澤目線で面白かったブースや開催されていたイベントについてご紹介します。
まず、ブーランジェ通信 Vol.7でご紹介した製粉会社「Minoterie Girardeau (ミノトリー ジラードウ)」のブースをご紹介します。
昨今のフランスのパン業界では、ビオの材料を使用した商品(パンやお菓子)を販売することが必要不可欠という傾向にあることから、この製粉会社のビオ製品に来場者は興味津々でした。
このブースでは、同社で取り扱うさまざまな種類のビオの小麦粉を使用したレシピの提案やデモンストレーションをしていました。同社の製品に詳しいデモンストレーターと話もできて、非常に楽しく商品を理解することができました。
次にご紹介するのは、サンドイッチを効率よく提供して利益率をあげるためのシステムを提案されていた「Croust’wich(クルストウィッチ)」のブースです。
フランスでは、パン屋で利益率を上げるためにはサンドイッチなどの「スナッキング(日本で言う惣菜パン)」は必須だと言う経営者も多く、経営者や今後開業を目指している方をターゲットに、サンドイッチの具材を事前に用意しておき、オーダーが入ればすぐに具材をパンに挟むことができる、効率的なスナッキング販売システムの提案をしていました。
このシステムは、お客様が予め作られた商品を買うのではなく、お客様ご自身で好きな具材をその場で組み合わせて注文できること、そして、お店側も、野菜などから出る水分でパンが湿ってしまう心配がなく、いつでもフレッシュな状態で商品を提供することができ、提供側と購入側の双方にメリットがあるシステムだと感じました。
その他にも、現在物件探しをしている私にとっては、ミキサーやオーブンなどの新しい機械が展示されているブースは興味深く、無心になってブースをまわっていました。
そして、このイベントでもっとも注目すべきところは、さまざまな専門家の講義を聞くことができるイベントエリアです。
このエリアでは、製パンに関する知識はもちろんのこと、今後のパン業界のこれからや、製菓製パン業界での女性職人の立ち位置のことなどなど、さまざま講義が開催されており、どの話を聞くか非常に悩みました。
講義をしている専門家のなかには、パン職人ではない方もいて、また違った視点でお話を聞くことができる貴重な機会となりました。
このような感じで、規模は小さいとはいえ、内容は例年通り非常に濃く、パン職人、パティシエの方にはおすすめの展示会です!
皆さんも、次回開催時にコロナの影響が少しでも緩和されていれば、ぜひ訪れてみてください。
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