こんにちは。
フランスのブーランジュリーで働き始めて6年目となりました。今回は、日本のパン屋さんとフランスのパン屋さん(ブーランジュリー)ではなにがどう違うのか。個人的見解になりますが、今回はそんなお話をします!
◆お客様との距離が近い
日本で働いていた頃は「お客様が絶対的に最優先」という考えが根付いており、お客様のご要望に合わせ、「喜んでいただけるならば何でもします!」精神でパン作りをしていた気がします。 そしてお客様にタメ口を使うなど、言語道断!常連さんに対してもしっかり敬語でした。 しかしここフランスでは考え方が違います!お客様が喜んでくれるクオリティの商品とサービスを提供することはもちろんですが、お客様が絶対に最優先というわけではありません。
例えば、レジに店員が誰もいなくて、作業があと30秒でひと段落付く場合「J’arrive dans un instant (すぐ行きますね〜)」とか「 J’arrive dans 30 secondes ( 30秒後に行きますね〜)」などと伝えます。 お客様も「Ok, pas de problème! ( OK、問題ないですよ〜)」と気さくに返してくれます。
全てではないですが、スタッフが常連客と話す際、フランス語の敬語に当たる「あなた」という意味の「Vous」で話さず、「きみ」という意味の「Tu」で話します。スタッフとお客様がお互いを認識し、親しみをこめた会話が繰り広げられている店内では、お店とお客様がとても近い距離に感じられます。
ちなみに職場内でも、日本でいう「先輩・後輩」概念はあまり存在せず、敬語もありません。
初めは少し「馴れ馴れしいな〜」なんて思っていましたが、距離が近いぶん話もしやすいので、立場を気にせず困った時はお互い助け合える、今ではとても良い文化だなと感じています。
◆BIO(無添加・オーガニック)の小麦粉使用率がとても高い
フランス人の主食はパン!毎日、3食口にするもの。彼らの身体を作るもの。当然パンにどんな材料が使用されているのか気にしている方も多いです。そういったことから、フランスのパン屋さんでのBIOの小麦粉使用率はとても高いです。 一昔前の普及率は今ほどではありませんでしたが、今では「BIOの パンじゃないと買わない」なんて消費者も沢山います。 お店で使用する小麦粉の100%がBIOだというブーランジュリーも定着してきたように感じます。
◆窯から焼き上げたパン(特にバゲット)を素手で扱う
日本では衛生上良しとはされませんが、フランスではオーブンから出たバゲットを素手で扱います。 めちゃくちゃ熱いです!! 250℃のオーブンで25分間焼かれたパンはものすごく熱いのですが、フランスの職人は誰一人として軍手など防熱用具を使用しません。 職人が素手でパンを扱うのは、パンの裏面を叩いて焼き具合を確認したり、スピーディーに大量のパンを製造するために軍手を付け外しする手間を省く目的があるのですが、なによりも「これでこそブーランジェだぜ」という誇りの現れのように感じます(笑)
初めはとても熱いバゲットを軍手無しで触ることは難しかったですが、背伸びして彼らの真似をしてきました。 慣れとは怖いもので、現在は私も焼き立てのバゲットを素手で扱っては「これでこそブーランジェールだぜ」と心の中でアホなことを思っています(笑 )
◆同僚のお誕生日を職場で乾杯する(アルコールあり笑)
同僚が誕生日を迎える時は、本人がシャンパンや、ビール、コーラなどの好きな飲み物を持参し、作業がひと段落ついたころを見計らって職場のみんなで乾杯します。 どんなに忙しい日々の中でも、10分くらい手を止めて、みんなで誕生日を祝います。すごく素敵な習慣だと感じています。
【おまけ】(かなり大きめの)鼻歌を歌いながら仕事をする
ごきげんの時は鼻歌を歌い、製造場の明るい雰囲気作り出してくれます。日本で鼻歌歌いながらパン作る人なんていなかったなぁ〜笑
いかがでしたか?今回ご紹介したことだけでなく、実際にフランスのブーランジュリーで働くと驚くことばかりです! でもその「驚き」を、「楽しみ」に変えて毎日パン作りに取り組めることが、フランスで働く醍醐味なのかもしれません。
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