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2022.10.12
【後編】コロナ禍で変わった販売方法って?「予約アプリを使って営業時間にも変化を!」-東京都世田谷 Kepobagels –

新型コロナウイルス感染拡大により、私たちの日常生活は一変しました。ベーカリー業界でも、それに合わせた変化を求められ、多くのお店が試行錯誤を繰り返しています。

前編では、「予約強化と廃棄ロス削減を実現できたアプリの活用」ということで、東京都世田谷にあるMAISON KUROSUさんに、パン取り置きアプリ「sacri」の導入と活用例をお聞きしました。

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今回の後編でも同じアプリを導入した、ベーグル専門店「Kepobagels」のオーナー山内優希子さんに、導入のきっかけや活用例をお聞きしました。

 

食感重視のこだわりベーグル専門店「Kepobagels」

食感重視のこだわりベーグル専門店

京王線上北沢駅から徒歩約2分の場所にあるKepobagelsは、2008年にオープンし、2018年に今の場所に移転しました。ベーグルをこよなく愛するベーグラーたちが集まるお店です。

お店に並ぶのは、本場ニューヨークスタイルのベーグルと、和の素材を使った和ベーグルをメイン構成にしたラインナップです。

「Kepobagels」のこだわりは食感
そんな「Kepobagels」のこだわりは食感。「昔から、グミやお餅にこんにゃくなど、楽しい食感の食べ物が好きで、うちで売っているベーグルも食感にこだわっています」と山内さん。

京都の「ブラウニーブレッドアンドベーグルズ」で修業を積んだ山内さん

▲京都の「ブラウニーブレッドアンドベーグルズ」で修業を積んだ山内さん

一番人気は「つぶあんクリームチーズ」。中にクリームチーズとつぶあんが入っていて、甘さと塩味の絶妙なバランスが人気のヒミツです。多い日には、100個売れることもあるのだとか。

ベーグルのほかに食パン、ベーグルサンドもあり、店内の奥にはイートインスペースもあります。

ベーグルのほかに食パン、ベーグルサンドもあり、店内の奥にはイートインスペースもあります。

 

お客様と従業員の安全を守りながら営業するには…

お客様と従業員の安全を守りながら営業するには…

2020年に入って新型コロナウイルス感染拡大が広がり、その年の春には緊急事態宣言が発表されました。世間では終わりが見えないこのコロナに、皆が不安になりさまざまな憶測が生まれました。山内さんも「あの時は、何が何だかわからなくて、極端な話、現金を触るだけでも感染するんじゃないかとまで思いましたね」と振り返ります。

「Kepobagels」では、早い段階から非接触対策を講じました。

「まずは、すべての商品を個包装にして、掃除やアルコール消毒を徹底しながら、外出自粛中も営業を続けました。緊急事態宣言が出た後にすぐしたことは、完全先払い予約制にしたことです。そのときには、それまで使っていた通販サイトを事前決済予約用に無理やりカスタムしたシステムで走り出しました。UberEATSを導入したのはその1年くらい後です。外出しなくても買えるという点以外に、ベーグルサンドイッチとUberEATSとの親和性を感じたからです。」

お客様や従業員の安全を守りながら営業するのには非常に苦労されたようです。そんな状況が、“もっとお客様に便利に、そして販売する側がもっとシンプルに使えるシステム”の導入を検討するきっかけになったと言います。そこで山内さんは、事前決済予約用サイトに変わる便利な予約システムの情報収集をはじめました。

 

sacriのビジョンに共感。世間の動きを見て1年半後に導入

「一次対応でカスタムをしたサイトはあくまでも販売メインのシステムで、事前予約用途には少し使いづらい印象があり、『誰かにいいシステムがないか相談したい!』と思い、思い切ってお店のSNSで『便利なシステムがあったら教えてください!』と投稿してみたんです。するとフォロワーさんからリアクションがあり、パン取り置きアプリ『sacri』のことを教えてくださったんです」

その後、コロナの対策方法が少しずつわかってきた山内さんは、店頭販売を再開。一方で、世間ではフードロス対策のためのサイトやアプリが徐々に増えつつあり、身近にいる知り合いのお店では、実際にそういったサービスを導入した店もありました。システムを導入するパン屋さんが使いやすいように日々アップデートを重ねるsacri、山内さんが導入を決めた理由は、アップデート後に追加された機能「事前予約機能」でした。

「うちが欲しかったのは、ずっと悩みのタネになっていた事前予約システムだったんです。実は、アプリのアップデート前にsacriの方から事前予約機能導入について詳しく伺っており、事前予約機能があれば、営業前の時点で予約分がわかるので、これはうちのお店に合ういいシステムだと思いました」

店頭販売とは別に、sacriの予約分を置くための棚を設けて渡し間違いがないようにしています

▲店頭販売とは別に、sacriの予約分を置くための棚を設けて渡し間違いがないようにしています

「sacriは初めてでも感覚的に使えますし、お客様は24時間365日、いつでもどこでも好きなタイミングで商品の取り置き予約ができます。『少ない数でも気軽に買えて便利』というお声もいただけたのは嬉しかったですね。オペレーションも簡単で、その日の予約分を先に用意して、予約棚に置けばいいだけ。どこにも負担がないんです」

 

使い方は十人十色「どうやって使っていこうか楽しみ」

sacriを導入して、お客様にもスタッフにも負担のない販売ができるようになった「Kepobagels」。「営業時間短縮や人件費削減」など営業スタイルにも変化が起きます。

「今までは朝8時半から営業(店頭販売・事前予約受け渡し)していたんですが、8月からは、8時半から9時半までの1時間は、事前予約の受け取りのみにして、店頭販売開始は9時半に変更しました。朝は焼き立てのベーグルを冷まして袋詰め作業をしている忙しい時間帯ですので、できるだけ作業に集中したい時間帯なんです。でも事前予約分のお渡しであれば、あらかじめ用意しておいた商品をお渡しするだけです。決済も終わっているのでレジを開く必要もありません」

朝の人件費削減という面もありますが、営業時間を減らして、みんなが同じ時間に 働くことで一体感が生まれたそうです

▲朝の人件費削減という面もありますが、営業時間を減らして、みんなが同じ時間に 働くことで一体感が生まれたそうです

「17時でお店は閉店するんですが、閉店後も1時間ぐらいは次の日の準備でスタッフがいるので、その時間帯も有効活用し、17時45分までは事前予約分のお渡しができるようにしています。実際の店頭売り時間を短縮しつつも、営業時間前後の作業時間帯でも売り上げにつなげることができたのは、このアプリのおかげだと思います」

sacriの「Kepobagels」販売ページ

▲sacriの「Kepobagels」販売ページ

sacriを導入したことで、運営スタイルにもいい変化が生まれた「Kepobagels」。見事にアプリを使いこなしている気がしますが、「実は、使いはじめてまだ3カ月なんです」と山内さん。そのため、どうやって使いこなしていくのかが、今後の課題でもあり、楽しみでもあるといいます。

「今は事前予約だけですが、今後はオペレーションを整えて、当日予約などもやりたいと思っています。また、できることなら、焼き上がり時間に連動した予約ができるようになれば、もっと可能性の幅が広がって、面白くなるんじゃないかと思っています」

 

取材後記

明るく行動力にあふれた山内さんは、コロナによる外出自粛期間や緊急事態宣言発表後も素早く対応して、地に足の着いた販売方法を実行してきました。

「お客様や従業員の安全を守りながら営業する」というポイントを大事にしていたため、sacriの導入に時間がかかってしまいましたが、満を持してのアプリ導入には、大変満足している様子でした。

また、「今後の課題はいかに使いこなすか!」という言葉からは、sacriには無限の可能性が秘められていることを示唆していると思いました。アイデアマンの山内さんの手にかかれば、まわりが「そんな方法があったか!」と驚くような使い方をされるはず。今後も目が離せません。

 

●取材協力
Kepobagels
住所:東京都世田谷区上北沢4-16-13
営業時間:9:30~17:00(事前決済予約お渡しは8:30~17:45) カフェ L.O.16:00
定休日:月曜(祝日の場合は営業)、火曜(祝日でも休み)
TEL:03-6424-4859
公式サイト:https://kepobagels.com/
公式インスタグラム:https://www.instagram.com/kepobagels/
 
株式会社sacri
公式サイト:https://sacri.jp/

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Writer
安倍川モチ子
安倍川モチ子
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派遣社員として総合映像プロダクションや大手電化製品メーカーなどで、紙・WEBのプロモーション制作やコンテンツ制作に従事し、2018年よりフリーライターとして活動中。 現在はWEBを中心に、書籍や広告等の制作にも携わっている。グルメ・歴史・お笑い・健康・美容・ビジネスなど、興味のそそられるものを幅広く手掛ける。
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