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2022.07.28
フランスからつづる!パティシエ通信 by木村 翔 Vol.14「フランスではパティシエがヴィエノワズリーを製造するのはあたりまえ!?」

こんにちは。

今回はCAP Pâtissier (セ・ア・ペ パティシエ)の試験に向けて勉強していた際に覚えた、フランスの歴史とヴィエノワズリー(菓子パン)にまつわるお話をしたいと思います。

みなさんも一度は聞いたことがあると思われる歴史上の人物「マリー・アントワネット」。

彼女はフランス国王ルイ16世の王妃で、オーストリアとフランスの政治的同盟のためルイ16世へ嫁ぎました。

彼女が発したと言われている名言として広く知られている「パンがなければお菓子を食べればいいじゃない。」という言葉があります。
※実際はマリー・アントワネットが発したという史実はどこにも残っていないそうです

この“お菓子”というのは、どうやら私たちが想像するケーキや焼き菓子ではなく、ブリオッシュ(ヴィエノワズリー)のことを指していたそうなのですが…

「いやいや、結局パンじゃん!」って思いますよね。

では、ヴィエノワズリーとは一体何なのか??

ヴィエノワズリーは、卵や牛乳、砂糖などを用いたリッチなパンの総称で、クロワッサンやデニッシュ、ブリオッシュなどがそれにあたります。子どものおやつや、大人の軽食としてもフランスでは日常的に食べられています。

▲先日、私が行ったコパンというお店のヴィエノワズリー。全商品ビオというこだわり!

バゲットのレシピが、小麦粉・塩・水・イーストとシンプルなのに対して、ヴィエノワズリーは、卵や牛乳、砂糖などを使用し、ふわふわとした食感でしっかり甘味があるので、確かにお菓子に似ていますね。昔であれば、ヴィエノワズリーがお菓子に例えられても不思議ではない気がします。

では、なぜヴィエノワズリー(viennoiseries)と呼ぶのか??

これは、マリー・アントワネットの母国でもあるオーストリアの首都ウィーンが深く関係しています。フランス語ではウィーンを ヴィエンヌ(vienne)、ウィーンの人をヴィエノワ(viennois)やヴィエノワーズ(viennoise)といいます。ヴィエノワズリーは19世紀にオーストリアのウィーンで作られるようになり、その後、パリに伝わった「ウィーン風(Vienne)のパン」という意味でヴィエノワズリー(Viennoiserie)と呼ばれるようになりました。

そう、ヴィエノワズリーはオーストリア発祥のパンなのです。オーストリア出身のマリー・アントワネットなら「パンの代わりにお菓子(ヴィエノワズリー)をたべたら?)と提案するのも分からなくはないですね。

ヴィエノワズリーやパティシエ通信 Vol.3『失敗は成功のもと。パータシュー大爆発から新しい発想が生まれたわけ』で紹介したシューも含め、フランス国外発祥のものが、フランスでより美味しく進化していることに、フランスの素晴らしさを感じました。

私は、試験のために歴史の勉強をするまでは、ヴィエノワズリーもシューもフランス発祥のものだと思っていました(笑)

フランスでは、ヴィエノワズリーはブーランジェだけでなくパティシエも製造します。ですので試験でも、必ずブリオッシュかクロワッサンを作らなければなりません。

試験に挑戦したことは、クロワッサンやブリオッシュを日本ではあまり作っていなかった私にとって、新たな技術を学べただけでなく、更にパティシエの仕事を好きになる機会となりました。

 

 

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Writer
木村 翔
木村 翔
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青森県三沢市出身。
日本で10年修行後、渡仏。フランスに移住して5年。
現在は、パリにある「LES TROIS CHOCOLATS PARIS」のシェフパティシエとして働いています。
フランスでこの職業に誇りを持ち、異国での“パティシエ人生”を楽しんでいます。
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