季節商品が売場にあることで、消費者の注目を集め、売上アップにつながるのではないか、その可能性を探る特集です。お店によってどんな季節商品を提供するか、どのように販売促進するかは個性があるところでしょう。消費者の声とお店の実例の紹介をします。
季節商品はついつい買ってしまい少々高くても気にしない人が多い
パン好き主婦にアンケートをすると、季節商品はついつい買ってしまい、比較的高単価でも気にならないということが判明しました。
季節商品は客単価UPの大チャンス
月1回以上パン屋さんに行くパン好き主婦に、季節商品についてアンケートをとりました。パン屋さんで季節限定の商品が販売されていたら、「いつも買うと思う」、「たまに買うと思う」と答えた方が約8割いました。
大多数のお客様にとって、季節限定の商品というのは気になるものです。買われる確率が高いのなら、パン屋さんで季節限定商品を販売するメリットが大きいのではないでしょうか。パン屋さんで季節限定の商品を買うと答えた人に、その季節限定商品が他の商品よりも少々高単価だったとしても買うかどうかを尋ねたところ、「気にせず買うと思う」、「買うことが多いと思う」と答えた人は約7割でした。季節限定であるからには、多少高単価になる可能性があるということは想定内なのかもしれませんね。また、「商品によって変わると思う」と答えた人は15.5%いました。どんな季節商品かによって高単価であることの許容度が変わるのであれば、「この季節商品ならば買いたい」と思わせるほどの魅力を訴求できれば良いということになるでしょう。お客様にとって季節限定の商品は気になる存在で、少々、高単価でも買ってみたいと思いやすい商品なのだと考え、販売促進していきましょう。
パン屋さんで高単価な冬の季節商品として、「シュトーレン」、「パネットーネ」、「ガレット・デ・ロワ」などがあげられます。実際にパン好き主婦の購入経験を調べたところ、「シュトーレン」を購入したことがあると答えたのが41.7%でした。ここ10年ほどで認知度が上がり、多くの店で「シュトーレン」が販売されるようになりましたね。
「パネットーネ」や「ガレット・デ・ロワ」も「シュトーレン」と同じように消費者の認知度が高まれば、今後、購入する人が増えていくかもしれません。また、この店のシュトーレンが、パネットーネが、ガレット・デ・ロワが、食べたいとファンになれば毎年購入してくれるようになるでしょう。
季節商品でお客様を喜ばせ売上アップ、再来店へ
少しの工夫でできる季節商品開発&販促
季節商品は少しの工夫でつくることができます。たとえば、そのシーズンのイベントの象徴となるような形をパンの形に取り入れても良いでしょう。また季節の素材を生地に練りこんだり、包餡したり、トッピングしたりしてみましょう。パン以外のアイテムで目を惹くというのも良いですね。季節商品自体が売場の中で目新しいものなので、お客様の関心を寄せやすいです。POPや看板など店内販促物を充実させるのはもちろんのこと、SNSを活用すると来店のきっかけにつながるでしょう。
季節商品は贈り物需要に応えられることもあるので包装やラッピングの工夫も効果的です。