2021年10月22日に神戸市中央区の再開発が進んでいる神戸ベイエリアに新しくオープンした「felissimo chocolate museum(フェリシモ チョコレート ミュージアム)」。
世界のチョコレートパッケージを収蔵・展示するこのミュージアム。
なんと開館時は12,000点以上のチョコレートパッケージを収集し、数々のユニークなデザインのパッケージが展示されているとのこと。
これだけの点数、しかも国内外のチョコレートのパッケージを一気に見ることができるこの貴重なミュージアムに興味がある方もたくさんいらっしゃると思いますが、なかなか行きたくても遠くて行けないという方に、chefno編集部が特別にミュージアムの一部をご紹介します。
編集部スタッフが訪れたのは、神戸の海を見渡すことができるフェリシモ本社。
そう、このミュージアムを運営されているのは、ファッションや雑貨など自社企画商品を中心に、カタログやウェブなどを通じて販売する「株式会社フェリシモ」さんなのです。
そもそも気になるのが、何故フェリシモさんがミュージアムを作ることになったのか。
それは、
2018年に神戸港が開港150年を迎え、それを記念し新港突堤西地区の再開発プロジェクトが開始。
そのプロジェクトの一環として、このエリアにおける新社屋の建設が決定しました。
新しい街ができるのに際して、その街のにぎわいづくりに貢献すべく立てられた計画のうちのひとつが、この「フェリシモ チョコレート ミュージアム」とのこと。
そんな熱い想いがあるミュージアム!どんなミュージアムかワクワクします。
目次
しあわせを感じることができる「チョコレート」。その可能性を沢山の人に知って欲しい
早速ミュージアムに向かうと。
そのミュージアムは、フェリシモ社屋「Stage Felissimo」の2階にありました。
そこで出迎えてくれたのが、チョコレート色のチェック柄ワンピースをお召しになった担当の市川さん。
さっそく、ミュージアムのなかを案内していただきました。
先ほど、簡単にミュージアム開館までに至った経緯は少し触れましたが、そもそも、何故フェリシモさんで「チョコレートなの?」という疑問があり、市川さんにお聞きしてみました。
それには3つの理由があります。
1つ目は、
フェリシモで20年以上前からチョコレートに関わる事業をしていたから。
2つ目は、
神戸に根付く西洋文化の一つだから。
神戸に西洋文化が入ってきて、それと共に西洋菓子の文化も共に神戸に根付いていきました。
その洋菓子の発展と共に歩んできたお菓子の一つにチョコレートがあったからです。
3つ目は、
フェリシモが大切にしている「ともにしあわせになるしあわせ」という価値観がチョコレートがもたらす幸福感と合致しているからです。
世界中の誰もが大好きなチョコレートは、食べる人にも、ギフトとして贈られた人にも、たくさんのしあわせをもたらすまさに「しあわせの象徴」のような食べ物だと思います。
このように「しあわせ」にこだわるフェリシモにとって、「チョコレートのミュージアム」はフェリシモらしい表現のカタチなんです。
市川さんはじめ、社内でもチョコレートが好きな社員が多いとのこと。フェリシモさんがチョコレートミュージアムを作り上げたのは必然だったのかもしれません。
入り口からカカオ感を感じる!ミュージアムにいよいよ潜入
ミュージアム入口に足を踏み入れると、どこからかチョコレートの香りが。
しかしそこにはチョコレートが展示されているわけではないのに、何故??
その正体は、一つ目の部屋に隠されていました。
うす暗い部屋の中で、照明と共に浮かび上がるカカオが敷き詰められた四角いオブジェがあります。
どうやらこれが、その香りの正体らしい。
市川さん、このオブジェは一体何ですか?
ミュージュアムを訪れた方に、これから始まるチョコレートの世界に入っていただく為に「スイッチ」を切り替えることをコンセプトにしたのがこの部屋になります。
そして、このオブジェの上には「カカオハスク(カカオ豆の穂皮)」を敷き詰めており、それが香りの正体です。
カカオの香りに包まれて実際にカカオを見ることで、チョコレートの原点となるカカオを肌で感じていただき、皆さんをチョコレートの世界にひきこむ演出をしております。
カカオの香りって落ち着きますよね。
確かに、気分が完全に「チョコレート」になってきた気がします。
これで準備完了。先へ進みます。
パティシエ・ショコラティエ 小山 進の芸術的なパッケージの世界観を身近に感じる
最初の部屋を抜けると、目の前には真っ直ぐにのびた廊下と両脇に並ぶパッケージ。
このエリアは、年2回のペースで開催されるという常設展エリア。
取材時は、世界的なショコラティエ『小山 進』氏のチョコレートパッケージ約140点が展示される「小山進 クリエイションの軌跡」が開催されていました。
小山さんの想いをダイレクトに表現し、ほかでは見られない斬新なアイデアが盛り込まれた芸術作品のようなパッケージ、そしてそのデザインへの考え方を、感じていただけると思います。
アイデアを凝らした遊びごころいっぱいのパッケージたちは眺めているだけで楽しくなりますよ。
小山 進氏は、デザイナーにもなりたかったという。
デザインの持つ力を信じている小山さんの想いがあるからこそ、このパッケージが生まれてきたのだと思います。
皆さんが、パッケージ作りに悩んだ時にはぜひ小山氏のパッケージを参考にしてみてはいかがでしょうか。
フェリシモらしい遊びゴコロも忘れない!巨大オブジェでインスタ映え!?
チョコレートにまつわるアート作品や書籍が展示されているエリアを見終わったあと、さらに進むと、ちょっとひと息つける開放感のある休憩エリアがあります。
そこには、なんと巨大なチョコレートのオブジェが待ち構えていました。
このチョコレート何か怪しい。仕掛けがありそうですね。
ここでは、チョコレートとたわむれて欲しいという想いと、フェリシモが考える遊び心をカタチにしたエリアです。
巨大なチョコレートのオブジェは、マグネットで壁に止まっているので、パズルのように外したり付けたりすることができるんです。
オブジェと写真が撮れるスペースもありますので、ぜひ皆さんもインスタ映えを狙って撮影してみてください!
子供から大人まで、訪れた人たちが飽きることなく楽しめる工夫がされているエリアは、休憩どころか、はしゃいでしまいそうですね。
他にも、チョコレートやパッケージに関する書籍を閲覧できるライブラリーコーナーもありましたので、撮影をしたり本を読んだりしてじっくりチョコレートとたわむれてみては。
ミュージアムの心臓部!壁一面に広がるパッケージがお出迎え
楽しい気持ちで先ほどのエリアを後にし、いよいよメインとなるエリアへ。
メインエリアは、天井の高さまであるショーケースが壁一面を埋め尽くすパッケージが圧巻の収蔵・展示エリアです。
パティシエやショコラティエならずとも、この展示を見ているだけで楽しくなってきます。
ここで展示をしているのは、国内はもちろんのこと世界中から集められた、ありとあらゆるチョコレートのパッケージのコレクションです。その数は、約12,000点、500ブランド、50か国にのぼります。
こちらのパッケージは、フェリシモで収集した物もありますが、開館前に国内外のパティシエ、ショコラティエやメーカー、さらにはチョコレート愛好家の方々から寄贈された物がほとんどです。
数あるパッケージの中には、日本でのチョコレート文化をうかがい知ることのできるものもあります。
例えば、このミュージアムで一番古いパッケージがあるのですが、これは1970年代のバレンタインデー用のパッケージです。
現在であれば、友チョコや義理チョコ文化などがありますが、当時は、本命の人に一点豪華主義というバレンタイン文化があったことをパッケージの豪華さや華やかさからうかがい知ることができます。
様々な時代背景と共に歩んできたチョコレートと、その文化に沿ったパッケージたちを見ていると、歴史を勉強しているような気分になります。
今回はダイジェストでミュージアムを紹介させていただきました。
この他にも、期間限定の企画展やミュージアムショップなど見どころはまだまだあります。
皆さんが、商品のパッケージを考える時、もし企画やデザインに悩んだら、このミュージアムに足を運んでみて下さい。
何か、ヒントが見つかるかも知れませんよ!
●About
・felissimo chocolate museum
神戸市中央区新港町7番1号 Stage Felissimo
11:00~18:00
休館日:公式サイトにてご確認ください
その他、入館料や企画展開催状況などは以下サイト及びSNSよりご覧ください。
公式サイト
公式Instagram
・株式会社フェリシモ
公式サイト
※この取材は、2021年12月当時の内容になります。期間限定の企画展などの内容が含まれますので、現在実施されている内容は、ミュージアム公式サイトよりご覧ください。