ARTICLE
2021.12.09

ケーキ自販機が活躍!コロナ禍で売り上げに悩むパティスリーを救う

株式会社 Papa-Lab 代表取締役
大林 瑞門さん
BtoB企業として業務用冷凍ケーキの製造・卸売りをメインに、少人数でコンパクトに経営されています。 生地の味・食感にこだわり商品を開発。 「おいしいのおてつだい」をスローガンに、ケーキ作り25年以上の大林さんが、 「お店でおいしいスイーツを提供したいけど、ケーキ作りの経験がない」 「パティシエを雇いたいけど、専属で雇えるほど注文が入るか不安」 というお店のニーズに合わせて、配送が可能な冷凍ケーキをメインに製造されています。
運営サイトはこちら

こんにちは。chefno編集部です。

以前ご紹介しました自販機記事の第2弾です!

前回の記事は、こちらから☞「パン屋が抱える5つの課題を解決できる、パンの自販機の魅力とは

今回は、パンではなくケーキの自販機を導入された卸販売専門パティスリーのご紹介です。

新型コロナウイルス蔓延により、クライアントからの受注が減少。
何か対策は無いかと試行錯誤され、出された案が「自販機」を活用したケーキの販売でした。

コロナ禍でどのお店も直面する売上減の問題。
その問題を自販機導入で解決されたパティスリーさんがここにもありました。

さっそくお話を詳しく聞いていきましょう。

 

滋賀県草津市の卸販売専門パティスリーが考えた、コロナ対策とは

卸販売メインで運営されてきたなか、一般消費者向けに販売を始めたきっかけは


元々は、卸販売をメインに運営していましたので、一般消費者向けの販売は想定していなかったんです。

ただ、この長引くコロナ禍で当社にも影響が出始めまして…

というのも当社の主要取引先が、
レストラン、カフェ・喫茶店、居酒屋、BAR、ウェディング、ホテルなんで、コロナの影響をまともに受けた取引先ばかりでした。

その影響は例に漏れず、卸をメインにしている当社にも影響が及び、受注が減ってしまいました。
ワクチン供給後でも「コロナ禍前の状況に戻る事は難しいのでは?」と思い、新たな販路として卸先を開拓するよりも小売りにチャレンジする事を選択したのが、自販機導入のきっかけですね。

 

小売販売の準備は順調に進みましたか?


小売を始める前に2つの壁(悩み)がありました。

まず1つめは、「卸販売と小売販売の平行製造」です。
小売りで販売を始めるからと言って、卸販売の製造を止めることはできませんので、小売りを始めるにあたり、小売り専用の製造ラインを増やすべきか悩みました。

そして2つめは、「店舗を構えるか」です。
店舗を持ち、ショーケース販売となると、今までと大きく運営や製造体制が変わってきます。
お店づくりの資金もそうですが、店舗販売スタッフのことなど、準備すべきことが沢山あります。

今までの運営体制を大きく変更しては、手間や労力、コストまでかかってしまい本末転倒になってしまいます。

では、体制を変えずにどうすべきか…

そこでふと思いついたのが、元々製造している冷凍ケーキを活用して小売販売ができないかという案でした。
最近、他の飲食業界でも活用事例が多い冷凍販売可能な自販機であれば、当社の商品も販売できるんじゃないかと思ったんです。

製造現場近くに設置されたケーキ自販機。地元の利用者が多いとの事

自販機で販売を始めて、売り上げや運営面はいかがですか


ありがたい事に、自販機を導入してから現在まで、売り上げ目標をはるかに超える状況です。
早い時であれば、午前中には予定販売数が売り切れてしまう事もあるくらいですね。

もっと販売をしたいという思いもありますが、卸販売に影響が出ないように予定数を売り切ったら完売というスタイルにしています。

取材中もお客さんがひっきりなしにやってきてケーキを買っていきます。全商品売り切れ間際に筆者もぎりぎり購入できました

 

自販機で販売できるケーキってどんな商品なの??

自販機で販売している商品について教えてください


「定番商品」ですと、ベークドチーズケーキ、蒸し焼きショコラ、キャラメルバナナタルト、カフェマリアージュなどがあります。
定番以外では、「季節商品」を定期的に入れ替えたり、気まぐれメニューを差し込む事もあり、お客さんが飽きないような商品構成にしています。

11月取材時の売れ筋商品、“秋限定”和栗モンブランタルト(手前)、“秋限定”焦がしバター無花果タルト(真中)、“定番”ベークドチーズケーキ(奥)

 

これから自販機を導入したいと思う方に!

使用されている自販機のこと、ランニングコストなどを教えていただけますか


使用している自販機メーカーは、最近冷凍販売用自販機として有名なSANDEN社の「ど冷えもん」を導入してます。
ランニングコストとしては、電気代なども入れても月額1万円プラスα程度です。
販売店舗を新たに構えるよりも、低コストで導入が可能ですし、無人販売のため人件費は不要です。
コスト以上のメリットがあると思いますね。

自販機を導入して良かった事はありますか


SNSを活用して自販機での販売をPRしているのですが、卸売り事業では得られなかった“一般”のお客様の反応・お声をダイレクトにいただけるのは、自身のモチベーションにつながりました。
また経営的側面からも、卸売りと小売りの両立による収益確保ができました。

先行きが分からないコロナ禍のなか、この2つのメリットを感じられた事は非常に大きいと思いますね。

今後、自販機事業を始められようと検討されている製菓業界の方に向けて、何かアドバイスがあれば一言お願いします。


良くも悪くも「お客様のニーズに本当にマッチングしているのか」が全てだと思います。
冷静な判断と大胆なチャレンジ精神でぜひトライして下さい!

 

関連リンク

☞『パン屋が抱える5つの課題を解決できる、パンの自販機の魅力とは』はこちらから

この記事をシェアする
Writer
chefno編集部
プロモーション担当兼エディター リョウ
chefno編集部
プロモーション担当兼エディター リョウ
運営サイトはこちら
WEB業界に10年以上従事して、現在はchefno編集部のプロモーション担当をつとめる。コーヒーが大好き!コーヒーに合うパンとお菓子を編集作業の合間に食べるのが楽しみ。車があればどこにでも取材に行きます!
1
味覚と味蕾
ARTICLE
2023.06.13
教えて!専門家の皆さん!!美味しいものを作るために知っておくべき「味覚」について
chefno編集部
パティシエール兼ひよっこライター ハルミ
2
ARTICLE
2022.03.15
フランスにいったら役に立つ!かんたんフランス語講座 第11回『味の感想』
chefno編集部
編集長&映像制作 コウヘイ
3
ARTICLE
2024.01.09
インタビュー 老舗和菓子屋からパン屋へ パティシエ出身シェフが作る美しいパン ル・シュプレーム 渡辺 和宏
ベーカリーパートナー編集部
4
オーストラリアの伝統的なお菓子
ARTICLE
2023.02.17
オーストラリアからつづる!パティシエ通信 by永田 真由美Vol.04『オーストラリアの伝統的なお菓子って?』
永田 真由美
無料会員を募集しています!
chefno®︎では、会員登録することによって、会員限定のコンテンツを視聴したり、 製パン・製菓のセミナー(無料・有料開催)に参加することができます。 ほかにもいろんな特典を考えております。みなさまの登録をおまちしています!