パティシエ・パン職人の入り口とも言える製菓製パン系専門学校の学生さんは、約8割が女性です。これは筆者が学生だった20数年前から変わっていません。
それなのに、当時いっしょにお菓子を学んだ友人のなかで、現在も製菓業界で仕事を続けている女性は1人しかいません。
時代が令和になった今、製菓・製パン業界の労働環境もいくらか改善され、女性職人が生き生きと働ける場所になったのではと、期待をこめて現状を調べてみると、予想に反した答えが見つかりました。
なんと、就職してから半年後に行う離職調査(※出典元 辻調グループキャリアセンター調べ)によると、2021年度の女性の卒業生のうち、19.2%が仕事を辞めてしまっていたのです。
なぜ、女性が製菓・製パン業界で働き続けにくいのか?どんな理由で仕事を辞めることが多いのか?理由のひとつにライフステージの変化が挙げられます。結婚後、家事や子育てなどと仕事の両立について悩むことは製菓・製パン業界に限った話ではありませんが、早朝からの勤務や、長時間労働が多いこの業界では、生活の軸が変わっても職人として働き続けることが難しいのが現状です。
培ってきた技術と知識を活かし、生き生きと働き続ける女性職人たちが増えてほしい。すべての人が好きな仕事を長く続けることができる業界になってほしい。そして製菓・製パン業界の新人職人さんたちにも安心して夢を抱いて欲しい! との思いで続けてきた連載企画、今回は変化球でお届けします。
事業主の味方、社会保険労務士法人とは
古くから大阪の商業の中心地であった大阪市中央区北浜。水運に支えられて発展し、歴史的建造物が今もなお残る美しいエリアに、社会保険労務士法人「はた楽」さんはあります。社会保険労務法人とは、主に企業の従業員雇用や労務手続き、給料計算の代行を行う会社です。日常生活の中ではあまり聞くことのない、社会保険労務士法人という言葉。会計事務所や弁護士事務所のようなお堅いイメージしか湧かない筆者は、少し緊張気味に事務所を訪問しました。
どんな方が主にどんな相談でこちらに来るのですか?
労務関連の質問で、今回のテーマ、産休・育休の相談は多いですか?
産休・育休制度の手続き代行に力を入れ始めたのはなぜですか?
産休・育休制度について よくある質問 Q&A
産休・育休という言葉を聞いたことはあるが制度についてはよく知らない人もいるかもしれません。みなさんは正確な知識をお持ちでしょうか?筆者が製菓業界で働き始めた今から約25年前、周りの先輩たちや同僚の中で産休・育休制度を利用して仕事に復帰するパティシエール(女性)や、育休を取得するパティシエ(男性)に会ったことはありませんでした。しかし今ではそんな業界も少しずつ変わってきています。スタッフに安心して働いてもらうために、制度について正しい知識を身に着けてはいかがでしょうか。
産休・育休の違いは?
産休・育休中の従業員への給料は雇用主が負担するの?
スタッフが国から給付金を受け取るために、会社側のサポートは必要なのでしょうか?
個人事業主と法人で申請できる給付金制度は同じ?
そもそも、産休・育休って取ってもらわないといけないのですか?
『はた楽』さんが提供するサービスとは
ここまでスタッフのみなさんに安心して働いてもらうための産休・育休制度について教えてもらいました。とはいえ、国の制度変更にしっかりついていきながらスタッフがきちんと給付金を受け取れるようにサポートするのは大変だなと思った方も多いのではないでしょうか。そんな事業主の方をサポートしてくれるのが『はた楽』のサービス。年間契約不要でその都度の依頼で手続きを代行してくれるというのが嬉しいです。
『はた楽』さんが産休・育休関連で代行してくれるサービスは主に2つです。1つ目は、産休・育休に伴う給付金をご本人がもらうために、会社がすべき手続きを代行してくれるもの。その際、会社が加入している保険の種類などもヒアリングされるので、どの給付金がスタッフの方に適用されるかがわかります。2つ目は、会社側がもらえる助成金を得るためのサポートサービスです。国からもらえるこの助成金については相談に来られるほとんどの経営者が知らないんだとか。
会社が受給できる助成金って一体どんなもの?
対象になる中小企業って具体的に言うとどんな会社ですか。
簡単に助成金を受け取ることができるのでしょうか。
取材を終えて
働きやすい職場とは、『人間関係が良好でなおかつ安心して働ける環境』であること。
『はた楽さん』の産休育休手続きサポートを利用する事業主さんの多くは、『産休・育休を取られる従業員の人に、うちに戻ってきて欲しいから導入する』と言われるそうです。
“職人さんたちは、お菓子やパンに向き合い、技術を積み重ねる日々を過ごして自身の価値を高め、代替要員を採用するのにお金がかかるオーナーさんは国の助成金をうまく活用する”
こんな循環が生まれれば、人材不足に悩まされる業界の悩みを軽減できるのかもしれません。なぜなら産休・育休制度について知識を高めて備えておくことが、従業員にとっての安心に繋がると、筆者は強く感じたからです。女性職人が出産後も、希望すれば職人として働き続けることができる環境を模索されることで、従業員の定着率が上がり、働きたいと思う人も増えることに繋がる気がしてなりません。
【取材協力】
社会保険労務士法人はた楽
住所:大阪市中央区北浜1-3-14リバーポイント北浜9F
アクセス:地下鉄堺筋線「北浜駅」から徒歩3分
営業時間:9:30~17:30
定休日:土曜・日曜・祝日
対応エリア:全国
公式ホームページ:https://hata-raku.net/